セッションをしていても、セミナーをしていても、はたまた人事面談の場面でも、「長所がない」と嘆く人はとっても多い。
「そんなことないでしょ?」と言っても、本人はかたくなに「いいえ。本当にないんです。欠点ばかりです」と言い張る。
どうして、そんなに自分には長所がないことにしちゃうんでしょう?
そして、そんなに「長所がない」と言うならば、長所がないことを受け入れたら良いだろうに、受け入れるのはイヤなんですよね
「長所を見つけたいんです」と言う(笑)
たいそう、矛盾しております。
長所を見つけるコツは簡単です。
短所を見つける
ただ、これだけです。自己分析をする時に、「短所だと思うことは、言い換えると長所になります」って言われるけれど、言葉遊びではなくて、本当にそうなんですよ。
短所は長所。長所は短所です。
長所が短所になるのは、単に「やりすぎている」から
人って調子に乗りやすいですよね。
褒められるとつい調子に乗ってやりすぎちゃう。相手が喜んでくれたりしてもやりすぎる。1回うまくいくと、これまたやりすぎる。
やりすぎた結果どうなるか。失敗します。
これが「短所」です。適度なところでやめておけば「長所」なのに、やりすぎるから「短所」になるのです。
例えば私は、自分よりも他人を優先する傾向があります。
自分が忙しくても、「お願い」と頼まれると断れないし、友人、知人から相談をされたら、それがどんなに些細な内容であっても、一生懸命相談に乗ります。
空気を読んで、相手が期待する行動を取るのも超得意です。
これが、良い塩梅で発揮されているときは
「親切な人」「優しい人」「思いやりがある人」と大変好評なんですね。私自身も、相手に喜んでもらえることがすごく嬉しい。
でも、調子に乗るとどうなるか。
頼まれてもいないのに、あっちこっちでアドバイスならぬ「クソバイス」を展開し、空気を読みすぎて、自分の意見や考えが何だか分からなくなる。
いつも大量の仕事や用事に追われて、やってもやっても終わらず、体調を崩す。
行き着く先は、
「私は、こんなに頑張っているのに」
「私は、あなたのためを思ってやっている(言っている)のに」
という被害者意識。相手から見たら「お節介で面倒で口うるさい人」ですよね。
もしくは、私がいないとダメな状態を作り上げるので、自分自身で考えられない依存する人を作りだします。
私がやっていることは変わりません。
でも、失敗している時は、あきらかに「やりすぎ」なんですよね。
他の短所も一緒ですよ。
良い時は長所を上手に活かしている。うまくいかないときは長所が短所になっている
クライアントとのセッションでよくやるのが、「自分の人生の振り返り」
人生の振り返りと言うと大げさだけれど、ある過去の地点から現在までを振り返って、それを曲線で表してもらうのです。
上の図のような感じね。
線より上が「うまくいっていた時」、下が「うまくいかなかった時」です。
曲線を書いたら、うまくいった時とうまくいかなかった時に注目!
赤丸で囲ったところね。
うまくいっている時には理由があるし、うまくいかなかった時にも理由があります。
それぞれ、「どうしてうまくいったかな?」「どうしてうまくいかなかったのかな?」と考えて書き出してみて。
すると、うまくいっている時は、自分の長所を上手に活かしていることが分かるはず。逆にうまくいかないときは、自分の長所が短所として出てしまっていることに気づくはず。
このワークをすると、クライアントから「あぁ、やっぱり・・」の声が出ます。
私のクライアントは、ここからまた次のワークに進むのですが、このワークは簡単ですぐに出来るので、ぜひやってみてください。
単に言葉だけポジティブにしても、エピソードがないとシックリこない
面接対策本などで「自分の短所をポジティブに言い換えると長所になる」と書かれているので、それをそのまま使う人も多いですよね。
だから、「あなたの長所と短所を教えてください」という質問に対して、
「長所は◯◯です。短所も◯◯だと思っています」という回答が、とっても多いのだけれど。
本当に納得している人って、どれぐらいいるんだろう?って思うのです。
この記事で私が書いたことも、言っていることは同じだけれど、単に言葉だけを変えたところで全然シックリこないんですね。
それは、自分で体感していないから。
具体的なエピソードがあって、初めて「あぁ、私の長所と短所は同じなんだ。長所が行き過ぎると短所になるんだ」って気づくのです。
だから、うまくいったとき、うまくいかなかったとき、それぞれのエピソードをたくさん思い出してください。
そして、「その時、私はどんな行動をとったのかな?」「その時、私はどんな気持ちだったのかな?」を掘り下げてみてください。
エピソードがある長所は、あなたに自信を与えてくれますよ。
長所がない人はいません。
長所がないということは、短所もないということ。そんな人はいないですよね。
短所ばかりが思い浮かぶと言う人は、それは単に「やりすぎている」だけ。
良い塩梅がどこか・・に視点を変えると、うまくいくようになりますよ。
こちらのコースでは、あなた自身をガッツリ掘り下げながら、”自分らしく”働けるようにサポートしています。