
あれはどうしよう?
こっちはこうした方がいいかな?
悩みが尽きない人っていますよね。私自身も意外とこのタイプなのです。
そして、同じような価値感を持つ人が集まるからか、私のクライアントも同じようあれこれ悩む人が多いのです。
そんなクライアントが、今日、こんなことを言ってくれたんです。
「悩みグセがすごく減りました」
そうなの。あれこれ悩む人って、それがクセになってしまっているの。
悩む必要がないことも、悩んでしまう。だから「クセ」なのです。
私のクライアントは、どんなことで悩んでいたのかというと、会社のチームメンバーとの関係性に悩んでいたんです。
「こんなことを伝えたら、相手に嫌われてしまうのではないか」
「あの人がこういう態度を取るのは、私に何か問題があるんじゃないか」
「私がしていることに不満を持っているんじゃないか」
そうやって考えれば考えるほど、相手とギクシャクしちゃんですよね。
これは、思い当たる節がある人もいるんじゃないかな?
悩みグセ脱出のきっかけは、ひとりひとりとの丁寧な対話
でも、ある時から『悩みグセ』がグッと減ったそうです。「何がきっかけで悩みグセが減ったの?」と聞いたら、こんな答えが返ってきました。
「メンバーひとりひとりと、じっくり話したことがきっかけです」
実は2回目のセッションの時に、クライアントに
「チームメンバーとじっくり話して、何が不安に感じているのか、何を不満だと思っているのか聞き出す」
という課題を出したんです。
答えを提示する必要はないから、ただひたすら、相手の話を聞いてごらんって。
チームづくりをする時に、最初にネックになるのが、マイナスオーラを漂わせる人たち。
マイナスのオーラ、負のパワーって恐るべき力を持っているんですよね。
SNSを見ていてもそうじゃないですか。
良い話よりも、誰かの失敗やマイナスの話題の方があっという間にリツイートされるし、「そうそう!私もそう思っていた!」と共感されやすい。
チームや会社にマイナスオーラ全開の人がいると、やる気がある人たちの気力もあっという間に奪われてしまうんです。
かと言って、そういう人たちに「頑張ろう!」と言ったところで聞く耳は持ちません。
なぜなら、そういう人たちって最初からそうだったわけではなくて、「諦めた」人たちが多いから。
頑張ろうと思った(あるいは頑張った)けれど、思ったとおりにならなかった。
だから、もういいやって言う発想ですね。
もしかしたら、周囲から見たら「いやいや、全然頑張ってないでしょ」と思うかもしれないけれど、それは関係ないんです。
本人が「頑張った」と思っているのだから。
だから、こちらの要望を伝えるよりも先に、相手の話をじっくりと聞く事が大事なのです。
でね、私のクライアントは、この宿題が出た時に怖くて怖くて仕方なかったんですって。
「自分が嫌われているかもしれない」
「自分に問題があるかもしれない」
そう悩んでいたから、ひとりひとりと対話したら、自分の至らなさや自分への不満が山ほど出て来るんじゃないかと思ったそうです。
でも、管理職を目指す上でメンバーとの対話は避けて通れないし、これは自分が乗り越えなければいけないことだと決心して、思い切って行動したんですって。
そんな決死の覚悟(と言うのはちょっと大げさだけれども)でチームメンバーとの対話をやってみたら、拍子抜けしてしまったそうです。
拍子抜けした理由はいくつかあるそうで、
- あまり話してくれないだろうと思っていたのに、関係がうまくいっていなかった人も素直に色んなことを話してくれた
- 自分に対する不満も出て来ると覚悟していたのに、全然出てこなかった
- むしろ、自分が勝手に「こう感じているに違いない」「こんな気持ちのはず」だと決めつけていたことが分かった
ということなんですって。
相手の行動を深読みすることに意味はない。
このチームメンバーとの対話をきっかけに、悩みグセが大きく減ったそうです。
- 相手の言動を深読みしても良いことはない。
- 相手が話した言葉と行動だけに注目すれば、あれこれ思い悩む必要もないし、もし、どうしても気になることがあるのであれば、「なんで?」と聞いてみればいい。
- そして、実際に聞いてみると、たいていのことは自分が大げさに考えているだけで、相手はそこまで深く考えていないことが分かった
と話してくれました。
悩みグセがない人にとっては、当たり前のことかもしれませんが、あれこれ考えてしまう人から見ると、すごく大きな発見なんです。
この間メルマガでも書いたばかりなのだけれど、人は事実に自分の価値感を付け加えて捉え、そのことに対して何らかの反応をします。
物事をマイナスに捉えやすい人が、あれこれと悩むわけです。
でも、相手が話した言葉を脚色するのではなく、ただそのまま受け取る。相手の行動だけを受け取る。
これを意識するだけで、悩みグセはグッと減ります。
そうは言っても、ニュートラルでいることって難しいですからね。
どうしたって「もしかしたら・・・」と言う気持ちになることはあります。そういう時は、自分の中であれこれ考えても意味はありません。
だって、相手は相手であり、自分ではないから。想像しかできないわけです。
だったら、相手に「どういうこと?」って聞いてしまった方が早いですよね。
時間が経つにつれて、どんどん聞きにくくなってくるし、相手も「へ?今さら?そんなこと覚えてないし!」ってなるので、その場で聞けたら聞くのが一番良いです。
でね、実際に聞いてみると私のクライアントが実感したように、たいていは自分自身が大げさに捉えていることが多いんですよね。
「ここがイヤだ」とか「こういうのが困る」と言われたら、その時に対応すればいいんじゃないかな。
人間関係に関する悩みグセが減ると、とても仕事がしやすくなります。
もし、私のクライアントと同じような悩みグセを持っているなら、相手としっかり話してみることから始めて見ると良いんじゃないかな?
対話をするって、チームづくりには必要不可欠ですよ。