私はサッカーよりも野球派なので、サッカーはあまり詳しくありません。

そんな私でも、ハリルホジッチ監督の解任騒動にまつわるドタバタは、何となく知っています。

 

そして、その後に監督に就任された西野監督は、『日本化した日本のフットボールがある。そういうものをベースにしたうえで、構築していく必要がある』と話されているそうです。

 

これに対して、5/4付の日本経済新聞にサッカーに関する記事が掲載されていました。

『「日本のサッカー」では今のW杯は戦えない』という記事の中にはこう書かれています。

 

現在の日本代表は想像を絶するようなコンビネーションプレーを持っているわけではない。かといって、一人で何人も抜いていけるテクニックがあるわけでもない。

(中略)

12年当時の香川と本田と同じ力を持っていても、そこから6年進んだ現在のサッカーの中では同じ効果を発揮することができないのだ。

(中略)

「日本のサッカー」を追い求めることと、ワールドカップで1次リーグ突破を求めることは違う。残念なことだが、現在の選手でその両方を手に入れることはできない。

2018年5月4日 日本経済新聞「日本のサッカー」では今のW杯は戦えないより引用

 

サッカーに詳しくない私には、「日本のサッカー」がどういうものかはよく分かりません。

ただ、前回のW杯の日本の試合を見ていて、素人ながらに思ったことは「あー、これじゃ勝てないだろうな」でした。

 

確かその時も、日本のサッカーがどうのと言っていたような気がするんですよね。

記事を読む限り、今の日本代表に突出した選手がいるわけでもなさそうです。それなのに、2014年の時点で通用しなかったものが、4年経ってから通用するものなんでしょうか?

 

私にはそれがとても疑問です。

そして、「今までのやり方に固執する」「自分たちらしさを必要以上にありがたがる」風潮は、今の企業も抱えている問題なんじゃないかと思うのです。

 

今までのやり方だから・・が優先される不思議

 

私自身の経験でも、クライアントから聞く話でも、とっても不思議なのが、どうしてそれをするのか?と言う質問に対して

 

今までのやり方だから

こういう会社だから

 

という答えが当たり前のように返ってくること。

過去の栄光が忘れられない会社ほど、この言葉が出て来るように思います。

 

この答えが返ってくる時点で、残念だなと思わずにはいられません。

 

私の大好きなマンガに『天は赤い河のほとり』という作品があります。

紀元前のヒッタイト帝国とその周辺諸国のことが描かれているのですが、その中にこんなシーンがあります。

 

ヒッタイト帝国とエジプトが戦争をしているのですが、ヒッタイト帝国軍が後退を始めるわけです。

その時、エジプトのファラオは、部下にこんな司令を出すのです。

 

「帝国軍を追いかけろ」と。

 

相手は後退しているのだから、追いかけろというのは、至極、全うな気がしますよね。

そのファラオの命令に対して、エジプトで一番優秀な将軍であるラムセスはこう返します。

 

「ファラオよ、追ってはいけない。これはヒッタイト帝国の作戦で、彼らは自分たちに優位な戦い(戦車戦)をするための作戦である。止めた方が良い」と。

 

すると、ファラオはこう返すんです

「不愉快だ。エジプトも戦車戦には伝統がある偉大なるファラオが、戦車戦でエジプト領地を広げた」と。そして、部下たちと一緒にヒッタイト帝国軍を追いかけるのです。

 

結果、ラムセスの言った通り、ヒッタイト帝国優位な形で戦車戦に持ち込まれ、最終的にエジプトは敗戦するのですが、ファラオが「エジプトも戦車戦には伝統がある」と言ったあとのラムセスのセリフが、とても印象的なのです。

 

「伝統と歴史が全てを解決するなら、滅びる国はない」

 

企業にも当てはまりますよね。

過去のやり方がそのまま通用するなら、倒産したり、別の企業に買い叩かれたりすることはないはず。でも、現実はそうではないですよね。

 

20年前、30年前は世界でも憧れの企業が、その競争力を失ってリストラをせざるを得なくなる。

技術者などの優秀な人材をライバル会社に持っていかれて、さらに競争力を失って、結果事業を縮小したり酷いと買収されたり、倒産の危機に瀕したり。

 

そんな会社を横目で見ながら、明日は我が身かもと思いつつ、それでもなお、「今までのやり方」「これがうちの会社の伝統」としがみつく。

 

伝統を大切にすることは良いことだけれど、誇りをかぶってしまった伝統なら、さっさと捨ててしまった方が良いんじゃない?と思う私は、情緒がなさすぎなのでしょうか。

 

でも、ボランティアじゃない限り、会社は営利を追求しなければ存続できません。

 

いくら言葉だけで「イノベーション」だの「グローバル化」だの言っても、意識も行動も変わらなければ、何も変わらないんですよね。

 

「何のために」がすっぽり抜けて、手段が目的になっている

 

引用した記事に

 

「日本のサッカー」を追い求めることと、ワールドカップで1次リーグ突破を求めることは違う。

 

とありますが、まさに!!ですよね。

ハリルホジッチ監督が解任されたのは、「日本のサッカーを追い求めなかったから」ではないですよね?

ハリルホジッチ監督では、ワールドカップで勝てないと判断されたからなんですよね?

 

であるなら、今の日本代表の目的は、「ワールドカップ1次リーグ突破」のはずです。

日本らしいサッカーかどうかは二の次で、日本らしくなくても、ワールドカップ1次リーグを突破できる方法があるなら、それを採用するべきだし、ワールドカップ1次リーグを突破するために、「日本のサッカーを追い求めることが必須」なら、そうすれば良いです。

 

『日本らしいサッカー』ありきで話が進むのは、おかしなことだと思います。

 

そして、これは企業にも当てはあるんですよね。

 

企業は、ボランティアではないので利益を追求する必要があります。

そして、たまたま利益が出た!じゃ困りますよね。

継続的に利益を出し、成長し続けることが大事だと言うのは、誰しもわかっているはず。

 

自分たちの会社はどうあるべきなのか?

何を成し遂げる会社なのか?

そのために必要なことは何か?

 

これを考えなければいけないはずで、そのために「今までのやり方」や「自分たちらしさ」が重要なのであれば、それを徹底的に追い求めれば良いと思います。

 

でも、残念ながら、「今までのやり方」や「自分たちらしさ」ありきで、物事が決まっていくんですよね。

 

だから、「どうしてそれが必要なのか?」に明確な答えが出せないし、「自分たちらしさ」という精神論に逃げていくんです。

この状態では、継続して利益を追求する、成長し続けるって、無理なんじゃないかなーと思うのです。

 

だから、うちの会社はダメなんだと文句を言っても仕方ない

 

こういう記事を書くと

 

「そうなんです!うちの会社、だからダメなんですよーー」

 

と全力で同意してくれる人がいるのだけれど、それはちょっと違うんじゃない?

会社に問題があるのはその通りだと思うし、企業が大きく変わるには、トップの意思と行動が必要なのもその通りです。

 

でも、あなたも、その会社を構成するひとつの要素ですよね?

無理やり脅されて今の会社にいるのではなく、自分の意思で、その会社に勤めているんですよね?

 

あなた自身はどんな行動をしていますか?

 

会社が「これがうちのやり方だから」とか「こういう会社だから」と言うように、あなた自身も、「どうせ、うちの会社は」「変えたくても、上が変わらないから仕方ないんです」と言ってませんか?

 

セリフが違うだけで中身は一緒。

単なる思考停止、行動しないための言い訳です。

 

私の知人は、会社の中で発言権を持つには出世するしかないから、出来る限りエラくなる!と言って、どんどん出世していってます。

仕事で結果を出している分、恐らく口も出してると思います(笑)

 

私のクライアントは、会社のビジョンがない、方向性を示してくれないと愚痴ばかり言うのをやめ、今の自分ができることをやると決めて、チームの人たちに向き合いはじめました。

会社の組織全体を変えることは出来なくても、クライアントのチームは少しずつ変わり始めているようです。

「この会社で全力を出し切る」と話してくれました。

 

別のクライアントは、会社に大きな期待をすることを止めました。

それ以外の道を模索するため、今、色々な勉強をしているところです。そして、勉強したことを今の会社で試しています。

それは、会社のためではなくて自分のためだけれど、会社でも必要とされていることなので、どっちにとってもハッピーですね。

 

どの道が正解で、どの道が間違っているということはありません。どれを選んでもいい!

ただ、文句を言っているだけでは変わらないし、自分自身が損するだけです。

 

企業が成長するためには、「これが自分たちのやり方」なんて、しがみついてはダメです。

それは個人も一緒。

 

出世したい、自分の力を発揮したい、新たな道を見つけたい

そう思ったら、いつでも相談にいらしてください。

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