
新年度から新しい会社で仕事しようと、年明けから転職活動をスタートさせる方も多いのではないでしょうか?
採用担当だったころ、1月〜3月は毎日面接ばっかりしていた気がします。
転職活動をするにはいくつか方法があって、
- 転職エージェントを利用する(リクルートエージェント、JACなど)
- 転職サイトを活用する(リクナビ、マイナビ、DODAなど)
- 企業の採用ページから直接応募する
- 知り合いのツテ(取引先、前職の上司、友人・知人など)
このあたりが、王道かな。
厳密に言うと、転職活動とはちょっと違うけれど、ヘッドハンティングという手法もありますね。
色々な方法がある中で、転職エージェントを利用して転職する人って多いと思うのですが、覚えておいて欲しいことがあります。
以前、会社でこの話をしたら、「そんなこと、全然知りませんでした」と、とっても驚かれたんです。
転職エージェントは求職者の味方ではない
これは絶対に覚えておいてください。
転職エージェントをディスりたいわけではありません。
私自身が転職する時も、転職エージェントを利用していましたから。
ただ、転職エージェントが求職者の味方だと思って利用すると、ガッカリしたり、怒りを覚えたりすることもあるのです。
転職エージェントは、企業に採用してもらわないと売上はゼロ
ビズリーチのように、求職者にも費用負担が発生するところはありますが、多くの転職エージェントは、求職者側に費用が発生することはありません。
転職エージェントの売上とは、企業からの紹介手数料です。
手数料は、エージェントによって多少違いはありますが、だいたい採用した人の年収の30%です。
例えば、Aエージェントから紹介された人材がB社に年収400万で入社したら、B社はAエージェントに120万を払います。
AエージェントがB社に紹介した人が不採用になった、もしくは、内定辞退をした場合は、入社してないので、Aエージェントは、B社から1円も払ってもらえません。
こんな仕組みなんですね。
エージェントは、自分たちが紹介した求職者をいかに高年俸で、企業に入社させるか・・に力を注ぐわけです。
ボランティア団体ではないので当たり前ですね。
求職者のキャリアよりも、取引先企業へのマッチングが優先される
転職エージェントには、「キャリアアドバイザー」や「キャリアカウンセラー」「キャリアコンサルタント」という名称の人たちがいて、その人が、あなたの経歴や希望条件などを聞いて、求人を紹介してくれます。
転職エージェントの満足度は、この担当カウンセラー(エージェントによって名前が違う)が優秀かどうかが大きな割合を占めます。
私も何社かエージェントを利用しましたが、ダメな担当者はビックリするぐらいダメです(笑)
こちらの言うことはほとんど聞かず、希望条件とは違う求人を押し付けてくる。
連絡が遅い&来ない。
もし、あなたを担当したカウンセラーが、ダメカウンセラーだったら、担当を変えてもらいましょう。
ダメカウンセラーはともかく、そうでなくても、100%求職者の味方だというエージェントの担当カウンセラーは、ほぼいません。
ごくごく稀にいるのですが、出会えたら超ラッキーです。
理由は先にも書いた通りです。
エージェントは、企業に人材を紹介して、入社してもらわないとお金をもらえません。
だから、自分たちが持っている求人条件に合わない人だと
「ご紹介できる案件はありません」
「その件は、他の方で決まってしまいました」
などと言われ、案件を紹介してもらえないかもしれません。
時々、「自分のキャリアに迷ったら、無料で相談にのってくれる、転職エージェントのキャリアカウンセラーに相談しよう!」と書かれている記事を見かけますが、全くオススメしません(笑)
自分が行きたい企業の条件
自分がやりたい仕事
これが明確になっているのであれば、転職エージェントでの相談は役に立つはずです。
でも、そうではなくて漠然と悩んでいたり、自分が本当にやりたい仕事を一緒に見つけて欲しい・・というのであれば、相談したところで悩みは解決しませんよ。
転職エージェントを最大限に活用するなら、どういう会社でどんな仕事をしたいのかを明確にする
転職エージェントは企業の味方で、キャリア相談にも乗ってくれないとなると、利用する価値がないじゃないか。
そんな風に思われるかもしれません。
でも、それは違います。
転職エージェントを最大限に活用すれば、あなたの転職活動はグッと楽になります。
転職サイトからの応募や企業の採用サイトからの応募だと、先方との日程調整は、全部あなた自身が行わなければいけません。
転職エージェントを利用すれば、スケジュール調整は転職エージェントがやってくれます。
さらに内定をもらって提示された給与が、あなたの希望と違った・・
今の職場をすぐに退職できないので、入社を少し待って欲しいという時。
自分では、なかなか交渉しづらいですよね。
転職エージェントを利用すれば、交渉は全部エージェントがやってくれます。
特に年俸交渉は、よほど無謀なことを言わない限り、かなり真剣にやってくれますよ。だって、あなたが受け取る年収が多ければ多いほど、受け取る手数料も高くなりますからね!
自分で交渉するよりも、年収が上がる確率は高いです。
さらに、これも大きなメリットだと思うのですが・・・
個人では応募できない求人に応募できる。
企業によっては、自社サイトでは募集をせず、採用は全てエージェント経由で行うところがあります。
もし、あなたが行きたいと思っている会社に採用ページがなかったり、「募集していません」となっていたりしても、エージェント経由であれば、応募できることがあります。
だから、チャレンジしてみたい会社があるなら、転職エージェントで求人があるかどうか聞いてみると良いと思います。
そして、あなたの味方ではなくて企業の味方である・・と認識した上で、エージェントを最大限にあなたの味方につけるには
あなた自身がどんな仕事をしたいのか
どういう会社(社名でも、雰囲気でも)で仕事をしたいのか
譲れない条件はどこなのか
明確にすることです。
これらの条件が明確になっていれば、転職エージェントも、あなたの希望にあった求人案件を紹介しやすいし、相談にも乗りやすいです。
逆に、あなた自身に明確なものがない状態で行っても、ひととおりの経歴チェックと、表面的な条件を聞かれて求人を紹介されて終わりです。
転職エージェントは、上手に活用すれば、転職者にとっても企業にとってもありがたい存在です。
ただ、エージェントに対する認識を間違うと、「えっ、こんなはずじゃなかったのに」と感じることになります。
転職エージェントを活用して転職活動をしたい人は、事前準備をきちんとしてくださいね。
事前準備を効果的に行いたい方は、ぜひ一緒にやりましょう。
求職者としての立場と採用企業側としての立場、どちらの視点からもアドバイスします。