企業で仕事をしている人なら、「働き方改革」という言葉は、耳にタコができるぐらい聞いていますよね。

 

私の就業先も『働き方改革』の名の元に、色んな取り組みが進んでいます。

 

でも、私は今の『働き方改革』って、ちょっとズレているんじゃない?と思っていて・・

『働き方改革』『ライフワークバランス』と言う名の元に、やる気を減らしているだけにしか見えないのです。

 

ただでさえ、これから労働人口が減っていくのに、やる気を減らしてどうしたいんだろうなぁ。

そして、今のやり方で本当に『働き方改革』が出来ているとは思えないんですよね。

 

時間外労働80時間が過労死のデッドラインと言われる理由

 

今の働き方改革って、単なる労働時間削減なんですよね。

それは、もちろん労働時間と過労死に関係があると言われているから。

 

平成16年度版厚生労働白書 第2章「現代生活に伴う健康問題の解決に向けて 」のP86に、こう書かれています。

 

労働時間と血圧等との関係を見ると、残業時間が月60時間以上の者については有意の血圧の上昇がみられ、残業時間が月80時間以上の者は心筋梗塞発症のリスクが高ま るとする研究がある。

 

また、平成13年に発令され、その後平成22年に改正された「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の 認定基準について」の通達では、

 

発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月 間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認め られる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること

 

これにより、多くの企業で残業時間を減らさなければ!総労働時間を減らさなければ!となっているわけです。

 

時間外労働80時間が過労死のデッドラインと言われるのも、この通知から分かりますよね。

 

労働時間だけが、極度のストレスやメンタル不調の原因なのか?

 

上述のとおり、労働時間が長いことは身体へのリスクが大きいです。

そして、労働時間が長くなればなるほど、必然的に睡眠時間が削られるので、やっぱり身体へのリスクは大きくなりますよね。

 

睡眠時間の不足は身体だけではなく、メンタルにも大きく影響しますし。

そこを否定する気は毛頭ありません。

 

ただ、労働時間だけが問題なの?って思うのです。

 

だったら世の中のアイドルや人気芸能人なんて、一番危ないはず。

あの方たち、残業80時間どころか、年に数回しか休みがないとかザラですしね。

 

それでも何年もの間、第一線で活躍されている方たち、たくさんいますよね。

 

ということは、「労働時間が多いかどうか」だけが、極度のストレスやメンタル不調の原因じゃないんじゃない?と思うわけです。

 

「働き方改革=労働時間削減」が会社にとっては、分かりやすくて楽

 

それなら、どうして働き方改革が労働時間削減にばかり偏るのか・・

 

それは、それが一番会社にとって分かりやすくて楽だから

 

労働時間って数字で見えますよね。

 

残業時間がこれだけ減った

総労働時間をこれだけ減らした

 

だから、我が社は働き方改革に、ちゃんと取り組んでいる。

ものすごーく分かりやすいです。

 

そして、そこだけでしか評価しない人たちが多いのも、理由のひとつですよね。

 

あの会社は、残業が多いからブラックだ

あの会社は、残業が少ないから良い会社

 

そう評価されるなら、会社としてはそこに取り組みますよね。

好んで「ブラック企業」と言われたい会社なんて、普通はありませんから。

 

人に関する施策って、本来、結果が出るまでに時間がかかります。

チームビルディングとか、組織の活性化とか、1〜2か月で結果が出るものではありません。

半年や1年、場合によっては2年とか3年かけて少しずつ作り上げていくもの。

 

でも、今は会社も社会も、そこまで待ってくれないんです。

すぐに「KPIはどう設定するのか?」「結果はいつ出るんだ」って追い立てられるから。

 

結果、やっぱりすぐに効果の出やすい労働時間削減に走るんですよね。

 

労働時間だけ減らしても、不調者は減らない。むしろやる気だけが減っていく

 

私が企業人事だった頃、何人かメンタル不調で休職をした社員がいました。

復帰した人もいれば、残念ながら復帰できずに退職した人も。

 

メンタル不調で求職した社員の労働時間が多かったか?と振り返ると、正直なところ、そこまで多くはなかったですよ。

多分、当時の私の方がアホみたいに働いてました(笑)

 

労働時間だけ減らしても不調者って減らないんですよ。

 

  • 自分の能力を超えた仕事をしなければならない(ストレッチの範囲も超えている)
  • 逆に今の仕事が簡単すぎて、自分の能力を発揮できない。もしくは自分が必要とされていると感じられない
  • 過度なプレッシャーがある
  • 職場の人間関係が悪すぎる
  • プライベートで心配ごとがあって、仕事に集中できない
  • 自己肯定感が低すぎて、自分に自信が持てない

 

一例だけれど、こういうこともメンタル不調の要因です。

そして、これらは労働時間を減らしたってなくならないんです。

 

むしろ、労働時間を減らした=働き方改革ができた!と思っている方が危ない。

数字では絶対に見えてこない部分ですから。

 

そして、仕事全体の状況や個人のやる気を無視した、一律の労働時間削減は、どんどんやる気を失わせるだけです。

 

もっと自分の力を発揮して仕事したい。でも、「働きたい」って言うと、「えっ?何でそんなに働きたいの?」って言われるから、誰にも言えない

 

実際に私が複数のクライアントから言われたことです。

 

仕事には今が踏ん張り時、今が乗り越え時ってありますよね。

ここで、ひと踏ん張りしておけば後が楽。

この山を超えたら、自分が一回り成長する

 

でも、一律の労働時間削減は、「乗り越え時」「踏ん張り時」をまるっと無視しているとしか思えないんですよね。

 

成長できるところで成長できない人が増えるし、成長できなければ、仕事の面白さなんて分からないし、仕事の面白さが分からなければ、やる気はどんどん失われていきますよね。

 

私には悪循環としか思えないんですよね。

 

働き方改革とは労働時間削減ではなく、成果の出し方改革

 

私が就業している会社で、明治大学教授の野田稔先生が働き方改革の講演をしてくださった時、こんなお話がありました。

 

働き方改革とは、労働時間削減のことではなくて、成果の出し方改革だ

 

ほんと、そうだと思うんですよ。

どうやって成果を出すのか?その成果を出すためには、どういう働き方をするのが一番良いのか?

 

その施策のひとつが、「長時間労働を減らすこと」だと思うのです。

労働時間を削減することは目的じゃなくて、手段のひとつでしかないはずなんですよね。

 

会社が労働時間を削減しろ!と言っている以上、社員はそれに従うしかありません。

でも、会社の中で結果を出したい、頭ひとつ抜けたいと思うなら、ただ労働時間を削減したって周りと一緒です。

 

自分に求められている成果って何?

その成果を出すためには、どういう仕事の仕方をしたらいい?

それをするために、どういう時間配分で仕事をしたらいい?

その時間配分で仕事するためには、何をいつ、どれぐらいの時間かけてやる?

 

これらを考えないとダメってことですね。

時間が限られている以上、削らなければいけないところも出てきます。

ということは、どこが削れるかを知っていなければいけません。

 

短時間で成果を出そうとすれば、自分のスキルはアップしておかないと、仕事の質もあがりません。

 

「自分の成果の出し方をどう変えるか」と考えて仕事をするだけで、周りとは確実に差がでるはずですよ。

どうすればいいの?という方は、相談にいらしてくださいね。

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