
サラリーマンでもフリーランスでも、よく言われる「自分の強みを活かそう」という言葉。
世の中には「強み発掘コンサル(?)」という名の職業もあるようで、自分の強みを見つけることは、ある種、当たり前だと思っている人も多いように思います。
私も自分の強みを知ること、自分の強みを活かすことは、豊かなキャリアを作る上で大切なことだと思っていますし、実際にクライアントとキャリアプランを作る時には、必ず自分の強みを見つけてもらいます。
でも、最近では『”強みを活かす”のは自分都合』という意見もあるようですね。
相手はその人の強みが活かされているかどうかは関係ない。相手の望むことをする、相手に期待されていることをするのが基本なんだから、自分の強みを活かしたいというのは自分都合だし、自分勝手である。
どうやら、こういうことらしいです。
うん、確かに一理ありますね。
でも、私はちょっと言葉足らずなんじゃないかな?と思っています。
なぜなら、自分の強みが全く発揮できない仕事って、相手の期待を超えるような結果は提供できないと考えているからです。
強みは見つけることが目的なのではなく、どう使うかが大事
そもそも大前提ですが、自分の強みは「見つけること」が目的なのではなく、「どう使うか」がとても大事です。
ただ、自分の強みを見つけても、それを全く活かせなければ、見つけた意味は半減です。
それに、やみくもに強みを使おうとしたところで、本来発揮できるはずの力の半分も使えません。
でも、残念ながら正しく使えている人は少ないのかも。
『自分の強みを活かすというのは自分勝手』という主張も、もしかすると、正しく使えていない人を指して言っているのかなと思うのです。
以前、こんな記事を書きました。
簡単に言えば、「長所と短所は同じもので、良い塩梅で発揮できれば長所、やりすぎたら短所」という事が書いてあります。
(興味がある方は、ぜひ、全文ご覧になってくださいね)
これは、強みに関しても一緒なんじゃないかと思うのです。
強みをそれを使うにふさわしい場面で適切に使えたら、それは大きな武器になる。でも、やりすぎてしまったり、えっ?!そこで?と思う場面で使ったら、途端に自分勝手な振る舞いと捉えられてしまう。
強みを発揮する時にもTPOは大切なんじゃないかな。
「強みを活かす」と「できること」は違う
仕事の場において「強み」とは何か?と考えると、私は次の3つを兼ね備えているものだと思います。
- 結果が出せるもの
- 当たり前のようにできるもの
- やればやるほどエネルギーが湧いてくるもの
結果は出せるし、当たり前のようにできるけれど、やっても楽しくない
こういう仕事は「強みを活かしている」とは言いません。
私の場合は、データを分析したり、それに基づいて仮説を立てたりすること。
直感と感情で動きたいタイプなので、本来は理屈で考えるのは得意じゃありません。
でも、仕事の場合はそういう訳にはいかないので、理屈で考えて資料を作ったり提案したりするわけです。
社会人を20年以上もやっていると、これらのことは当たり前にできるし、評価もされているので私のアピールポイントのひとつにはなっていますが、全くエネルギーはわかないので、「私の強み」だとは思っていません。
「できること」だという位置づけです。
逆にキャリアコンサルのセッションに代表されますが、相手から本音を引き出すこと、それと同時に気づきや行動変容を促すことは、私の強みだと思っています。
よく、「ちぐささんには、気づいたら本音を話してしまう」と言われますが、無理やり聞き出しているわけではないんですね。
気づくと、話さずにはいられないらしいです(笑)
本音を話してくれるからこそ、結果も出しやすいし、無理して聞き出しているわけではなく私にとっては当たり前のことをしているだけ。
そして私自身も、クライアントが変容していくのを見ているのが好きなので、エネルギーもわいてきます。
これぞ、まさに強みを活かしている!ことだと思うのです。
あっ、ここで言うエネルギーとは、別にキラキラ系の人が言うような「ワクワクする」とか「テンションがすごく上がる」とかではありません。
基本、私はそんなにワクワクしないので・・・
何というか、じんわりと嬉しくなるというか、もっと頑張ろうと思えるというか、そんな感じです。
「エネルギーが湧く=超テンション高くなる」ではないので、そこは勘違いしないでくださいね。
そして、強みを活かせることだからこそ、もっと工夫しよう、もっとスキルをあげようと思えるんですよね。
強みを活かすから、相手の期待に答えられる
さっきも書いたとおり、強みとは
- 結果が出せるもの
- 当たり前のようにできるもの
- やればやるほどエネルギーが湧いてくるもの
です。自分の強みが自分勝手になるのは、「結果が出せるもの」という軸がないからじゃないのかな。
仕事において「結果を出す」とは、相手の要望に答えないといけないですよね。
相手が何を求めているのか、どんなことを期待しているのか、それに対して、自分は何が提供できるのか。
自分視点だけでは、結果を出すことはできません。
そして、強みを活かせていなければ、どこかで行き詰まるはずです。
だって、無理してやっているものは、『もうひと踏ん張り』とか『この先の一歩』ができないことが多いから。
100%強みだけを活かして仕事をする・・なんてことはないと思います。
自分の強みではなくて、単に「できること」をしなければいけないことだってあるし、場合によっては苦手だなと思うこともやらなければいけないこともあります。
でも、頭ひとつ抜け出したい、より高い評価を得たいと思ったら、自分の強みを知って、それを活かすことは必須だと思いますよ。