
To doリスト
タスクリスト
これらを手帳に書いたり、PCやスマホで管理したりしている人、多いですよね。「時間管理術」や「仕事の早い人がやっていること」などの特集でも、当たり前のように紹介されていますね。
Tips的な話にも事欠かない。
みんな大好きTo doリストなんだけど、みんながやっているということは、そのままでは「その他大勢」に埋もれてしまうということでもあります。
To doリストやタスクリストから、ちょっと視点を変えて「やらないことリスト」という考えかたもあるし、私自身も以前に記事を書いたけれど、それでも頭ひとつ抜けるには、ちょっと足りない。
何が足りないかというと、To doリストもやらないことリストも、どちらも「本当にリストにすべきことは何?」っていう視点。
その視点がすっぽり抜けていると、回し車を必死で回しているハムスターのように、永遠に走り続けないといけなくなりますよ。
なぜ、それを「To doリスト」に入れているの?
To doリストを書く時、「何を」To doリストに書いていますか?
えっ、やらなくちゃいけないからでしょ?
きっと、多くの人がこう答えるよね。
中には、「ちぐささん、何を当たり前のこと聞いているの?」と思う人もいるかもしれません。(そっちの方が多い???)
誰かに頼まれた仕事
締め切りが迫っている仕事
顧客から「急ぎで!」と言われた仕事
やらなきゃいけないのに溜めていた仕事
朝、これらを書き出して、ひとつずつタスクをこなしていく。そして終わったら消していく。
やっと消した!と思ったそばから、仕事が山ほど積まれていき、To doリストを書くところから、また次の日の朝が始まる。
To doリストを書いて、それをきちんとこなせる人は「作業者」としては、とっても優秀。
抜け漏れがないし、安心して仕事を頼める人です。
若手のうち、まだ仕事になれないうちは、まずはここからです。
仕事を安心して頼めない・・というのは、致命的ですから。
でも、組織で一歩抜け出したい、もっと自分の価値を高めたいと思うなら、ここから抜け出ないといけません。
それが、「本当にリストにすべきことが入っている?」という視点です。
多くの人は、「誰かから与えられた仕事」をリスト化しているだけなんですよね。
いわば、テニスのラリーをしていて、来た球を打ち返しているのと同じ。何も疑問を抱かず、ただ打ち返しているだけだから、自分か相手がミスしない限り、いつまでたっても終わりがないの。
来た球を打ち返しているだけでは、ある一定以上は上達しないですよね?
そこから上達しようと思ったら、「ここではどんな返球をしたらいいのか」「そもそも、これはインなのかアウトなのか」を考えるし、上達するために必要な練習をしますよね。
仕事でも一緒なんです
これは、結果を出すために必要な仕事なんだろうか?
これは、今、やらなければいけないことなんだろうか?
本当にこの仕事は必要なんだろうか?
こうやって自分自身で考えないと、いつまでたっても「作業者」からは抜けられません。
大事なのは「かけた時間に対して、リターンがどれだけあるのか」
「単なる作業者」から抜け出すためには、マトリックスを使うと考えやすいです。
私がオススメしているのは、7つの習慣でおなじみのフランクリン・コヴィーが提唱している『時間管理のマトリックス』
仕事を「重要軸」と「緊急軸」で分けるのは、すでに多くの人がやっていることだと思います。
何度も言うけれど、大事なのは「何を重要な仕事と考えるのか」「何を緊急の仕事と考えるのか」です。
この「何を」や「なぜ」の根拠が、あいまいな人が多いんじゃないかな。
だから、常に来た球をただ打ち返すだけの仕事しか出来ないわけです。
「何を」「なぜ」の基準はただひとつ
その仕事をやることで、どれだけのリターンが得られるのか
ここで言うリターンの定義で、一番分かりやすいのは「お金」。
会社の売上であり、自分自身のお給料です。
緊急で重要な仕事は、締め切りが迫っていたり、クレーム処理だったり、切羽詰まった出来事だったり、文字通り「今すぐやらなきゃ!」の仕事です。
かけた時間に対して得られるリターンは、ほぼ同じです。
受注した分の売上だし、お給料分の仕事ですね。
緊急ではなく重要な仕事、実はここが一番気をつけなければいけないのですが、「やった気分になる仕事」なんです。
やたらとやってくるメールとか、とりあえず出なくちゃいけない会議など、時間がかかる割に、これで評価されることは、ほとんどありません。
緊急じゃなくて重要でもない仕事は言わずもがな。
重要だけれど、緊急じゃないもの。
これが一番リターンが大きいものです。目先の売上ではなく、中長期で見た時に会社の売上をあげるために必要な仕事や、自分の評価を上げるために必要なことがここでに入ります。
自分の仕事を「リターンがどれぐらいあるか」で考えたこと、ありましたか?
To doリストを作る習慣のある人は、一度、自分が作ったリストを上記の4つに当てはめてみてください。
多分、ほとんどが左上か左下に入ると思いますよ。
意識しないと右上の項目のリストは作れない
「重要だけれど緊急ではない」仕事が、一番リターンが大きいのに、自分のリストを当てはめると、そこには、ほとんど何も入らない人が多いのはどうしてだと思いますか?
それは、「意識していない」からです。
人はどうしても重要かどうかよりも、緊急かどうかで判断しがちです。
重要だけれど緊急ではない仕事って、後回しにされやすいのです。
「きっと、あれをやったら自分にプラスになるだろうなぁ」と思い浮かぶことは、誰しもありますよね。
でも、それが今すぐに必要ではないと思ったら、どうしますか?
「まぁ、いっか。今はすごく忙しいし、後からやろう」となるんじゃないかな。
で、その後からが来るかというと、ほとんど来ない(笑)
というか、忘れちゃうんです。
なぜなら、次から次へと緊急の仕事がやってくるから。
だからこそ、意識をしなければいけないんです。意識して、右上に入る仕事を考えて、見つけて、そこに時間を取る必要があるんですよ。
そして、多くの人が出来ないからこそ、それが出来る人に価値があるんです。
だって、右上の仕事は会社にも大きなリターンをもたらしてくれるんだもの。
評価されて当然ですよね。
1日10分でいいから、未来のために時間を使う
とは言うものの、実際に仕事をしていれば、緊急の仕事で1日のほとんどは過ぎていきます。
私もそうです。
特に今月は、次から次へと振られる、山積みの仕事に格闘しただけで終わってしまった(笑)
「よし!仕事の時間のうち、半分は右上の仕事に時間を費やそう」と決めても、現実問題として無理だと思います。(そういう部署にいるなら話は別)
それに最初から大きな目標を立てると、すぐに挫折することになりかねません。
「私はこれをやりたいのに!」って不満だらけになるのは本末転倒。
だから、まずは1日5分でも10分でもいいから、未来のために時間を使うことを習慣にするところから始めましょう。
- 違う部署の人に話を聞きに行く
- 顧客に対して次の展開を提案するためのネタ出しをする
- 勉強したい分野の本を読む
こんな簡単なところからでいいんです。
毎日10分でも、積み重なったら大きな時間になりますから。
そして、未来のために時間を作るということは、その分、何かを削るということでもありますよね。
- 本当に自分がやらなければいけないのか
- 本当にその時間が必要なのか
- 本当にその期間でやらなければいけないのか
- 本当にその頻度が必要なのか
- 本当にそのクオリティが必要なのか
上記のような視点を持つことで、単なる「作業者」からも脱することができるはず。
ただTo doリストを作って、それを終了させるだけのやり方から、リターンを意識したTo doリストの作り方に変えてみましょう。
まずは、「リターンはどれぐらいあるかな?」と考えるところから始めてみてくださいね。