
今日は、いつもとは違う視点の記事を書こうかな。
OL生活最後の10年は、採用も担当していたので、中小企業は良い人材が採用できないとか、面接ではこういう対応すればOKとか、そういう記事を読んでは勝手に突っ込んじゃうのよね。
特に中小企業は良い人材が採用できない問題については、「ウソつけ!中小企業だって良い人材は採用できるし」と心底思っているので、そのことについて書いてみようかと思います。
ちなみに私が採用担当をした会社は、こんな会社です。(私が採用担当になった時点での状況)
最初の会社:社員約100人、設立10年程度のIT企業
次の会社:社員約90人、設立7年程度のWeb制作会社
その次の会社:社員13人、設立2年目のWebコンサル会社
どの会社でも良い人を採用できたし、全ての会社で、私が採用担当になってから、新卒採用もはじめましたよ。もちろん、採用できました。
採用担当者視点の記事ですが、求職中の人は「採用担当者ってこういうことを考えているのか」と思って読んでいただくとおもしろいんじゃないかな。
自分たちが魅力を伝えてないのに「選ばれない」って嘆くのはおかしい
「良い人材を採用できない」って言うけれど、それって裏を返せば「私たちには、良い人材に来てもらえるような魅力がありません」と言っているのと一緒。
採用担当者は、まずこれを理解した方がいいです。
でね、こういうことを言うと、きっと「うちの会社を知らないのに、勝手な事言うな!」って言うのでしょうが、
「はい、知りません。だって伝えてないでしょ?」
とお答えしたい。
伝わってないのは、伝えてないことと一緒だから。どんなに「自分たちの会社は素晴らしいんだ!」と思っていたところで、それが求職者に伝わらなければ、意味がないんです。
転職サイトや採用サイトを見ると、どの会社も同じようなことが書いてあるでしょ?
「やりがいのある仕事です!」
「アットホームな会社です!」
「チャレンジする人を応援します!」
その状態で、自分たちの会社を選べと?それは無理ってものです。
「他の会社と比べて特筆すべき魅力はありません」ってことだから。
だったら、中小企業よりも安定していてブランド力がある(ように見える)大企業を選ぶのがセオリーですよね。
あなたの会社の人は、どうしてあなたの会社で働いているの?
その人たちは、「大企業に就職できなかったから」仕方なく働いているの?
きっと違いますよね。
魅力があるから働いているんですよね。
その「魅力」を伝えるのが、採用担当者の役目です。
一般受けするかどうかなんて、どうでもいいです。中小企業は、「その他大勢」になったら不利なんだから、自分たちの会社の魅力を自分たちの言葉で伝えること。
まずはこれができなければ、いつまでたっても「良い人材」は採用できないですよ。
その「求める人物像」は本当に会社に合っているの?
自分たちの会社の魅力が全然伝えられていないのと同時に、「求める人物像」すら曖昧な会社が多すぎる!
何で、求める人物像までもが横並びなんだろう。
大卒でコミュニケーション能力が高くて、指示待ちじゃなくて自分で考えられて、チームプレイができる人
こんなスーパーマンみたいな人、そもそもいませんし、いたとしても自分たちの会社を選んでくれると思う?
高嶺の花を追いかけるのはいいけれど、競争率高いよ。
そして、高嶺の花は、本当にあなたの会社で力を発揮できるんですか?
コミュニケーション能力が高い人が欲しい
どの会社の人も言うけれど、あなたの会社が考える「コミュニケーション能力が高い人」ってどんな人ですか?
とにかく立て板に水のようによどみ無く話せる人?
上手に話が出来なくてもいいから、顧客に可愛がられるような愛嬌のある人?
それとも、聞き上手な人?
同年代とうまくやれる人がいいのか、年上でちょっと気難しい職人タイプの人とうまくやれる人がいいのか。
ひとことで「コミュニケーション能力」と言っても、会社によって、求めるものは違うはずなんですよ。
他の項目も一緒です。
会社によって活躍できる人、求めている人は違うはずなのにどこも一緒というのが変。
自分たちの会社はどんな人を求めているのか
手を抜かずに、自分たちの言葉で考えることって、すごく大事ですよ。
で、あなたたちの会社に入るメリットは?
中小企業って、大企業と違って研修制度がない方が多いし、福利厚生だって整っていないことが多い。
お給料だって、きっと大企業の方が高いですよね。
だから、そこで勝負しようとすることが無意味です。
時々、誇大広告したり出来ないことを「出来る」と言ったりする採用担当者がいますが、止めたほうがいいですよ、それ。
意味がないだけでなく、仮に入社してもらったとしても、揉める原因になるだけですから。
「ほら、やっぱり自分たちの会社には、人は来てもらえないんだ」
そういう嘆きが聞こえてきそうですが、違います!
条件で仕事を決める人がいるのは事実。
特に家庭を持っている人は、「やりがい」だけでは家族を養えないですからね。
私は採用は「縁」だと思っているので、縁がなかったというだけ。
縁のない人を追いかけるだけムダです。
その人がどんなに、自分たちの会社にマッチした人であっても、追いかけてはダメです。
入社したあとに、すぐ「やっぱり、しっくりきません」なんて言われて退職されたら、また最初から採用活動をしなくてはいけないですから。
あなたに来て欲しい
という気持ちを伝えることは大事。
でも、逃げる人を追いかけることは逆効果です。恋愛と一緒ですね。
「縁」のある人に来てもらったらいいんですよ。
会社を条件で選ばない人たちもいます。大企業はイヤだ!ベンチャーや中小企業で働きたいという人たちもいます。
その人たちに、あなたの会社ができることって何でしょう?
あなたの会社は何をしてあげられるんでしょう?
メリットを伝えるためにも、自分たちの魅力を徹底的に掘り下げることが不可欠なんですよ。
「中小企業は良い人が採用できない」と嘆く前に、できることありますよね?
できることをやらずして「良い人が採用できない」って嘆くのはおかしいよ。