今日の日経新聞を読んでいたら、とっても違和感を覚える記事がありました。

 

『30歳まで「新卒採用」 損保ジャパンなど、門戸広げ人材確保』という見出しのその記事は、損害保険ジャパン日本興亜やリクルートホールディングスが30歳前後まで新卒の応募枠を広げるという内容が書かれたもの。

 

今の超売り手市場を受けて、新卒の対象年齢を引き上げることで、多様な経験を持つ人材を獲得することが目的だそうです。

 

私の意見は、上記Twitterでの短い一言に集約されてるのですが、「言葉遊びで問題を解決したフリしてどうするんだろう?」です。

 

私はスタートアップのベンチャー企業で働くことが多かったので、そもそも新卒一括採用という文化の中にいなかったんですよね。

新卒採用もしましたけど、「絶対に採用しなくちゃ!」みたいなことはなかったですね。

 

一緒に働きたいと思う学生がいて、学生も「この会社で働いてみたい」と思ってくれるなら、採用しようというスタンスだったので、日本の「新卒バンザイ!」「新卒こそ全て!」のような横並びの新卒一括採用をするメリットが全然理解できないのです。

 

なぜ、こんなに新卒をありがたがるんだろう?と本気で不思議です。

不思議なのですが、それで終わったらブログを書く意味がないので、私なりに考えてみようと思います。

 

  1. 安いお給料で採用できる
  2. 変な色がついていないので、会社の思うとおりの色に染められる
  3. ポテンシャルのある人が採用でき、会社に新しい風を運んでくれる
  4. 同じスタートラインの人たちをまとめて採用することで、研修が合理的にできる
  5. 他の企業もやっているから、自分たちもやらないわけにはいかない

 

これしか思い浮かばなかった・・・

そして、どれも、新卒採用をこんなにありがたがる理由にはならないよなー。

 

やっぱり、経験がない私が考えられることには限りがあるので、Googleで調べてみることに。

キーワードはずばり「なぜ、新卒採用をするのか」です。

すると、こんな記事が見つかりました。

 

2016年の記事なので少し古いのですが、ここに書かれている4つのメリットとは次のとおりです。

 

1.有名企業でなくても資質の高い人材を採用できる

2.中途採用中心だと「社内の人口ピラミッド」が崩れやすい

3.新人への指導が「知識・スキルの形式知化」を促す

4.社内ネットワークが活性化されること

 

これを見ても、私には「新卒」である必然性が全く分かりません。

 

今は有名企業でさえ、資質の高い人材を確保できていない

 

今から2年前、2016年といえば、すでに売り手市場でしたよね。

新卒採用マーケットは一番優秀な人材が採用できると言っていますが、本当にそうでしょうか?

学生の大手思考を見る限り、一部の大手企業に学生が殺到していることが想像できるのですが・・・

 

 

そして、今は損保ジャパンやリクルートと言った有名企業でさえ、「30歳まで新卒!」なんて言っているぐらいですから、有名企業じゃなければ、もっと人材確保は難しいはずです。

 

そもそも、『資質の高い人材』ってどういう人なんでしょうね。

学歴が高い人のことでしょうか?

「学歴が高い人は、それだけの勉強をしてきたのだから地頭が良い」という言い方をする人もいますが、正直「うーん」です。

 

いわゆるテストで良い点数をとれる「お勉強脳」とは別ものだと思っています。

 

それに、本来は会社ごとに「求める資質の高さ」って違うはずなんですよ。

ある会社では「優秀!」と言われる学生が、別の会社ではそうではない。逆に別の会社では「ちょっと・・」と思われる学生が、ある会社では「絶対に欲しい!」と思われることがあるはずです。

 

実際、新卒採用をしていた時に「実は1社も内定が出ないんです。私のどこが悪いのか教えてください」と言っていた学生は、私が所属していた会社で「いいよね、あの学生。採用しようよ」となり、今も頑張っています。

 

それなのに、なぜ、どの会社も同じ人を欲しがるんでしょうね。

 

学生は、実際に社会に出て仕事をした経験がありません。だから、仕事や会社はあくまでも「イメージ」なんですよね。

いくら自己分析をしたと言っても、それは机上での分析です。

実際に仕事をして、初めて気付くこともたくさんあります。

 

だったら、仕事を経験した既卒者を対象にして、「こんな人はぜひ、当社に来てください。こんなメリットがありますよ」と打ち出した方が、ずっと自社にあった資質の高い人材を採用できるのではないでしょうか。

 

「若手」は新卒だけじゃない。

 

若手が欲しいという会社の気持ちは分かります。

若手が入ってこないと、いずれ働ける人が少なくなっていきますよね。それに、総じて若手の方が、新しい技術や変化に順応しやすいということもあります。

 

ただ、「若手=新卒」とする意図が分かりません。

23歳の新卒なら若手だけれど、26歳になると若手じゃない・・ですか?十分に若手ですよね。

 

それに、これも現状の会社の年齢階層を見ないと、一概に新卒が良いとは言えないはずです。

 

会社の年齢層によっては、20代後半でも十分に「若手」ということだってありますよね。

もしかしたら、31〜32ぐらいまでは「若手」と言える企業だってあるかもしれません。

 

それなら、何も新卒にこだわる必要はないのでは?

『自分たちの会社が必要とする年齢』の若手を採用すれば良いですよね。

 

新卒採用は、終身雇用の時代こそ輝く採用方法

 

新卒採用って、終身雇用の時代には、とても合理的な採用方法だったと思うのです。

学生は1度企業に就職したら、定年するまでその会社に居続ける。

 

だとしたら、企業もずっと働いて欲しいと思える学生=青田買いをしたくなるのは当然ですよね。

採用コストや教育コストがかかったとしても、その後、何十年と自社に還元してくれるのですから、その費用が惜しいとは思いません。

 

学生の側も、年功序列でお給料が上がっていくのだから、最初はお給料が安くても納得できますよね。

 

でも、今はどうでしょう。

とっくの昔に終身雇用は崩れてます。

 

平成26年3月大学卒の3年離職率は32.2%だそうです。(厚生労働省のデータより)

新卒で3年って、まだまだ一人前のレベルじゃないですよ。やっと一通り仕事が理解できるようになって、「さぁ、これから」という時です。

 

そのタイミングで30%強がやめてしまう。

これって会社から見たら、「おいおい、ここで辞めるなんてないでしょう」って感じではないでしょうか。

 

学生から見ても、ずっと同じ会社にいたところで、お給料が右肩上がりになるわけではありません。

だったら、自分が興味があることにチャレンジしたいと思うのは、当たり前のような気がします。

 

もはや、企業にとっても学生にとっても、新卒一括採用のメリットってないんじゃないかしら?と思うのですが、どうでしょう。

 

新卒一括採用にこだわらない採用を

 

新卒採用をするな!と言っているわけではありません。

横並びの新卒一括採用は意味がないんじゃないの?と思うだけです。

 

しかも、「30歳まで新卒」などという言葉遊びみたいなことをして、「新卒」にこだわる意味が分かりません。

 

採用する人数が多ければ、まとめて採用してまとめて研修をした方が、合理的なんだろうなとは思います。

でも、全ての企業がそうではないですよね。

 

まとめて採用して、まとめて研修をするにしても、新卒にこだわる必要はないんじゃないかな。

 

卒業してすぐに就職しないから

最初の会社選びを失敗したから

 

だから就職の門戸が閉ざされるって、おかしいですよね。

 

卒業してすぐに就職しない学生は、どうしてダメなんでしょう?

最初の会社選びを失敗した人は、どうしてダメなんでしょう?

 

もし、そこに明確な理由がないのであれば、それは「こういう人はダメだ」という思い込みかもしれません。

 

新卒採用こそが素晴らしい!という、根拠のない思い込みをしているのであれば、それはもう止めませんか。

新卒一括採用にこだわっているうちは、本当に会社が必要とする人材、会社を必要としてくれる人材に出会えないんじゃないかと思うのです。