
女性リーダー育成コンサルタントの古賀ちぐさです。
1億総評論家時代と言われるほど、誰でも気軽に発信ができるようになったけれど、他者に対する配慮や敬意が欠けている人も増えているような気がしています。
ついこの間も有名実業家(?)が、SNSで特定の飲食業者を批判し、それを読んだ第三者が飲食業者へ嫌がらせをしたことで休業に追い込まれた…というニュースがありましたね。
実際に何があったかはわかりません。
「こんなの大したことがない!」
「自分はただ思ったことを伝えただけだ!」
「いやいや、最初に失礼な態度をとったのは向こう!」
など色々と言い分はあるのだと思います。
ただ相手への配慮があったら、もっと違うやり方があったのでは?とは思います。
そして同じようなことはインターネットの世界だけじゃなくて、会社の中でも起こっているのでは?と思うのです。
笑っているからって、平気なわけじゃない
人前で恥をかかせる
人前で叱りつける
人前でメンツを潰す
どれもやってはいけないことだと思っています。
人前で恥をかかされたり、メンツを潰されたりしても、笑っている人もいますよね。
私も基本的にはそのタイプです。
でも何とも思っていないわけではありません。
かなり傷ついていますし、相手に対して怒りも感じています。
表に出さないのは、仕事の場で自分の感情を出すのはかっこ悪いと思っているのと、その場の雰囲気を壊すのがイヤだから。
笑ってその場が収まるなら、そうした方がいいやと考えるわけです。
だけど、何度も言うけれど、傷ついていないわけではないんですよ。
表面はニコニコしているけれど、
「どうして自分はこんなにダメなんだろう」
「やっぱり自分は、ダメな人間なんだ」
心の中で自分自身を攻め続ける人もいます。
ニコニコしているから平気なように見えるけれど、心の中に何重にも蓋をして、さらに鍵をかけてしまっているのです。
自分はこれぐらいなら平気だから、相手も平気なはず・・なわけがない
こういう話をすると、
「でも、自分だったらこれぐらいは大丈夫」
「これぐらいで傷つくなんて弱すぎる」
と言う人もいますね。
自分が平気だから相手も平気というのは、傲慢です。
ある人にとっては大丈夫なことが、別の人にとっては傷つくことだということもあるし、その逆もある。
「自分がされて嫌なことは人にしないように」
「自分がされて嬉しかったことを相手にしてあげる」
これは大きな間違い。
「自分は嫌じゃなくても、相手が嫌だということはしない」
「自分がされて嬉しいことでも、相手が嫌なことはしない」
『自分と相手は違う』ということを認識することが大事なのだと思います。
議論と人格否定や個人攻撃は全く違う
「人前で恥をかかせてはいけない」
「相手が嫌がることをしてはいけない」
こんなこと言われたら、議論もできないじゃないかと思うかもしれませんが、そうではありません。
議論はどんどんしたらいいのです。
議論は「人」をジャッジすることではありません。
相手の「意見」や「考え方」を理解しようとすること。
「意見」「考え方」に対して、自分の考えを伝えること。
お互いに相手の「意見」や「考え方」を理解し、自分の考えを伝えることで、より良いものにしていくものです。
議論:それぞれの考えを述べて論じあうこと。また、その内容
出展:三省堂大辞林
でも、興奮してくると、段々と個人攻撃や人格否定になりやすいのです。
「だから、お前はダメなんだ!」
「あなたの意見なんて聞いていないわよ!」
「あー、ダメダメ。全然なってない。今までの話聞いてた?」
こんなセリフ、言ったり言われたりしたことないですか?
残念ながら、これを「議論」だと思っている人もいるようですが、単なる否定や中傷です。
議論がきちんと成り立つためには、相手との関係性はとても大事なことだし、リーダーは関係性を作ることを意識する必要があるのです。
人は見える部分が全てではない。見えないところに本音が隠されている
人は見える部分で相手を判断しがちです。
でも、実際には氷山と一緒で、見えている部分は、その人のほんの一部分。
その奥に見えない本音や気質が隠されているのです。
- 自分と相手は違う
- 自分が良いと思ったことが相手にとって良いこととは限らない
- 自分が平気でも、相手が平気だとは限らない
- 人は見えている部分だけが全てではない
見えない部分を見ることは難しいからこそ、この基本が大事。
特に女性リーダーの皆さまは、メンバーを自分の価値観だけで判断していないか?常に自問自答することが大切ですよ。
PS.
メンバーを知るためには、まず自分と向き合い、自分自身を知ることが大切です。
週に1回、女性リーダーの内省を促すための情報を配信しています。自分のリーダーシップを発揮し、メンバーとより良い関係を作りたいと思う女性リーダーは、ぜひボタンをクリックしてご登録ください。