
土曜日に投稿したツイートが、私史上、いちばん反応をいただいて驚いています。
キャリアコンサルという立場から見ても、すごく大事なことだなと思うので、ブログにも書くことにしました。
たくさんの反応をいただいたツイートはこれです。
「言わなければよかった言葉は言わなかったことにしたらいい」
これは怖いですよ。自分に向けた言葉ならまだしも、他者に向けた言葉なら、自分は言わなかった事にしても、相手はそうは思ってないですから。失言は誰にでもある。だからこそ、なかったことじゃなくて振り返って考える事が大事じゃない? https://t.co/OTXiIXJRrs— 古賀ちぐさ@ワークスタイルコンサルタント (@LibertyWoman2) May 25, 2019
最初にお伝えしておくと、元ツイートをされた方をあれこれ言いたいわけじゃありません。
それは私がやることじゃないと思っているし。
ただね、耳に心地よく聞こえるこれらの言葉、鵜呑みにするのはオススメできないなと思っています。
これを鵜呑みにし続けると、気づいた時には周りから人が離れていったり、自分が何をしたいのか、どうしていきたいのかが分からなくなったりするはず。
そうならないためにも、もしかすると耳に痛い言葉かもしれないけれど、読んでいただけると嬉しいです。
知らないふりをしても「なかった」ことにはならない
聞きたくない言葉を聞いてしまった
言わなくてもよいことを言ってしまった
やらなければよいことをやってしまった
私はキャリアコンサルなので、あえて「働く女性」というカテゴリーで書きますが、誰でも一度や二度、いや、三度や四度??こういう経験がありますよね。
私自身もたくさんあります。
私自身の至らなさに対するキツイ言葉だけじゃなく、「えっ、なんでそんな事を言われなくちゃいけないの?」と思ったことも・・
もちろん今振り返ると、「あのときは本当に申し訳ないことをしたな」と思うほど、思いやりのない言葉を部下に向けていたことも。
そして「なんであのとき、あんなことしちゃったかな」と思うことだってあります。
だけど「なかったことにしたい」とは全く思いません。
なぜなら自分が知らないふりをしたところで、「なかったこと」にはならないから。
それに聞かなければよかったこと、言わなければよかったこと、やらなければよかったこと、全部ひっくるめて今の私を作っているものだからね。
今の自分があるのは、過去のさまざまな選択の結果です。
あなたが選択してきたものを「なかった」ことにするってことは、あなた自身を「なかった」ことにするのと一緒なんじゃないかな?と思うのです。
一番しんどいときは、一時的にフタをするのもアリ
聞きたくないことを聞いちゃった。
言わなければよいことを言ちゃった。
やらなければよいことをやっちゃった。
知らないふりをしても、なかったことにはならないとは言え、内容によってはしんどい時ってありますよね。
もう何もかもがイヤになる・・・と思うときだって。
意外だと言われることが多いのですが、私は元々、超ネガティブ大魔神なので「明日の朝、目が覚めなかったらいいのにな」と思うほど落ち込むことも。
そんな時に「なかったことにはならないよ!」なんて言われたら、もっと凹みます。
凹むどころか、その言葉はおそらく私の耳には入ってきません。
だから本当にしんどい時は、一時的に「フタ」をしてしまってもOKだと思ってます。
そんな時まで自分に厳しくする必要はないから。
ただあくまでも「一時的」だからね。
そしてあなた自身で「一番しんどい時から浮上するまでは、フタをする」と決めることが大事です。
耳に優しい言葉ばかりを聞いていると、なりたい自分からも本来の自分からも遠ざかる
なかったことにしたら、その選択をしたあなたも「なかった」ことにするのと一緒だと、さきほど書きました。
あなたを「なかった」ことにしちゃったら、成長の機会はどんどん失われますよね。
いつも自分に都合よく物事が進めばよいけれど、残念ながらそんなことはありません。
むしろ「なんでこうなるの・・」と思うことばかりかも。
特に仕事の場では、理不尽なことなんて山ほどあります。
理不尽なことに耐えろ!と言いたいわけじゃないけれど、その理不尽なことにどう対応するかは、自分で決めるしかありません。
耳に優しい言葉ばかりを聞いて、成長することをやめちゃったら、残念ながらどう対応していくかは決められません。
あなた自身で決められないということは、周りに流されるか、誰かの言葉を鵜呑みにするしかなくなりますよね。
それを繰り返せば繰り返すほど、「あなたがなりたいあなた」からはどんどん遠ざかっていくし、もしかすると「本来のあなた」からも遠ざかってしまうかもしれません。
だから一番しんどい時期を過ぎたら、「聞きたくなかったこと」「言わなければよかったこと」「やらなければよかったこと」ときっちり向き合う必要があるのです。
「なぜ、そう感じたのか?」自分と対話することが大事
きっちり向き合うって、具体的にどうすればよいの?
やり方はとっても簡単。
「なぜ、そう感じたのか?」
あなた自身と対話するだけです。
でも実際にやってみると難しいかもしれません。
聞きたくないことを聞いてしまった。
もしかすると他の人にとっては、なんでもない一言が、あなたにとっては心をえぐられるような言葉かもしれない。
だとしたら「それはなぜ?」と自分に聞いてみる。
どうしてそんなに心をえぐられてしまったんだろう?
何にそこまで傷ついたんだろう?
頭の中で対話するよりも、実際にノートに書いてみると良いと思います。
書くことで頭の中が整理されるのもあるし、書くこと(吐き出す)でスッキリする効果もあります。
これは私のクライアントにもオススメしている方法だし、私自身もよくやる方法です。
何らかの答えが出てきたら、「あー、そうやって感じたんだ」と受け止めてください。
ここで「良い/悪い」のジャッジをする必要はありません。
ただただ、「あー、そうなんだ」と思うだけです。
そして他の捉え方があるかな?と考えてください。
あなたがそれをできるか、できないかは気にしなくていいです。
そこまでいったら、「さぁ、どれを採用しようか?」と考える。
違う選択肢を選んでもよし、やっぱり同じ反応(行動)を選んでもよし。
どれを選んでもOKで、正解や不正解があるわけじゃありません。
- 他にも選択肢があると知ること
- 選択肢の中から、あなたが「選ぶ」こと
この2つが大事なんです。
「聞かなかった」「言わなかった」「やらなかった」ことにしてしまったら、この気付きは絶対に得られないですよね。
相手は都合よく「なかった」ことにはしれくれない
最後になりますが、私が元ツイートを読んだ時に一番「え?」と思ったのは、「言わなかったことにすればいい」というひとことです。
「言わなかったことにすればいい」というのは、誰に何を言ったんだろう?
自分自身だったらまだしも(本当は自分に対してだってよくない!!)、他人に向けた言葉だったら??
その時には「言わなければよかった」と思ったことでも、自分と対話をしたら「やっぱり言うべきことだった」ならよいのです。
言った自分を盛大に褒めまくりましょう!!
だけど本当に「言わなければよかった」言葉だったら?
あなたがなかったことにしても、相手はそう簡単になかったことにはしてくれません。
きちんと振り返って「ごめんね」と謝ったら、事なきを得たかもしれないのに、なかったことにしたばかりに取り返しのつかないことになる・・ことだってあるはず。
やらなければいけなかったことも同じですね。
あなたも私も完璧じゃありません。
間違ったこともするし、失言だってします。
だからこそ、間違ってしまったり失言してしまった時には、真摯に対応することが必要だと私は思います。
それを「なかった」ことにするのは、大人としてどうでしょう?
仕事の場においては、確実に信頼をなくしますよ。
信用や信頼は築くのは大変だけれど、失うのは本当に一瞬です。
耳に優しい言葉は、ほんとうに心地よいですよね。
そこに委ねてしまいたくなる気持ちは、よくわかります。
でもね本当にそれでいい?
あなたの成長をとめることになっていない?
本来のあなたから遠ざかっていない?
信頼を失うことにつながらない?
それをよーーーく考えてみてくださいね。
自分との対話がうまくできないと言うかたは、グループの力を借りるとうまくいくことも。
他の人の気付きが、あなた自身の気づきになります。