
同じ資料を見て話をしているはずなのに、何だか会話が噛み合わないってことありませんか?
あれ?おかしいな。
私、ちゃんと説明したはずなのに、全然理解してもらってない。
頭の中が「???」でいっぱいになったり、「あの人は、全然人の話を聞いてない!」「トンチンカンなことばかりして使いづらい!」って思ったり、コミュニケーションがうまくいかずに困ること、ありますよね。
私もずっとずっとナゾでした。
ナゾ過ぎて、誰かに仕事を頼むより、自分で仕事をした方が何倍も早い!と本気で信じてました。
でも、「あぁ、こういうことか」と理解してからは、うまくコミュニケーションが取れるようになって、仕事を任せやすくなりました。
もちろん100%ではないから、今も試行錯誤ですが、以前ほどのイライラを感じることはなくなりましたよ。
相手と会話が噛み合わない大きな原因。
それは「前提条件がズレている」からです。
同じものを見ていても「見えている」ものは違う
人は自分の見たいものしか見ないし、聞きたいことしか聞きません。
同じものを見ていたとしても、「見えている」ものが違うのです。
先月、絵画を使ったセミナーを開催したのね。
この記事にも書いたけれど、同じ絵を見ているのに、人によって「見えているもの」が違っていたのです。
ここが盲点のひとつ。
「同じものを見ている=同じようにとらえている」と捉えてしまうのだけれど、そうではない。
人は自分が意識したものしか注意を向けないから、ある人にとっては見えているものが、ある人にとってはそうではない・・ということが起こるんですね。
だから、同じ資料を見ていたとしても、違うものが見えていることがあるのです。
それぞれ、自分が気になるところだけを見ている。
気になるところが一緒であれば、同じところに気付きますが、そうでなければ気付きません。
気付かないどころか「気づいていない」ということにすら、気付かないはずです。
同じ資料を見ているのに、話がズレていくのは、この「同じものを見ているのに、見えているものが違う」ということが原因のひとつ。
これを解消するには、細かいと思うかもしれないけれど、ひとつひとつ確認をしていくこと。
特に仕事をする時に外してほしくないポイントは、必ず「ここにこういうことが書いてあるよね」と確認をしてください。
ひと手間加えるだけで、「なぜズレる?」ということが、格段に減りますよ。
同じ言葉でも、そのイメージはひとそれぞれ
前提がズレる、もうひとつの要因は「言葉に対するイメージが違う」です。
言葉に対するイメージもひとそれぞれなんですね。
例えば、「成果」と言った時に、人によって「成果」の定義が違うということです。
結果が全てで、結果が出なければ「成果」はゼロだと言う人もいます。
いやいや、仮に結果が出なかったとしても、そのプロセスで成長することができたなら、それが「成果」だと考える人もいます。
あるいは、個人の成長を「成果」だと捉える人もいれば、個人の成長よりもチームが成長することを「成果」だと捉える人もいます。
私が思いつく「成果」の定義はこれぐらいですが、私が思いつかないだけで、「成果」の定義は、もっとたくさんあるかもしれません。
成果を結果と捉えている人と、プロセスも成果だと考えている人では、噛み合わなくて当然ですよね?
噛み合わないどころか、下手をすれば揉めることになりそう。
だから、最初に「この言葉の意味はこうですよ」という前提を揃えるのです。
言葉の前提を揃えるための時間は必須。
もったいないと思うかもしれないけれど、仕事がどんどん進んでから、噛み合わない方が余計にもったいない。
最初は小さなすれ違いだったのに、進めば進むほどズレは大きくなっていきますからね。
ズレが大きくなってから修正するのは、多大な時間もかかるし、関わっている人たちのメンタルも大きく削られます。
だから、最初の手間を惜しまないようにしてくださいね。
どこまで話が噛み合っているか、確認することが大事
頭の良い人、仕事の早い人にありがちなのが、「相手も自分と同じように理解するはず」という思い込み。
相手も自分と同じように理解すると思っているので、勝手に話をどんどん進めてしまうのですね。
でも、何度も書いているとおり、人は自分が見たいようにしか見ないし、聞きたいようにしか聞きません。
1を聞いたら10理解できる人もいれば、1を聞いたら1しか理解しない人もいます。
20ぐらい理解したつもりになっているけれど、実は全くのトンチンカンという人もいますね。
だから、必ず「どこまで理解しているのか。どこまで噛み合っているのか」を確認することが大事です。
しかも最後に確認するんじゃなくて、途中、途中で確認してください。
私ね、この確認作業はかなり失敗しているんです。
確認することが大事!というのは、分かってました。
だから、いつも全部説明し終わった「最後に」確認をしてたんです。
もちろん、その方法でうまくいく人もいました。
だけどうまくいかない人も多かったんです。どういうことかというと、途中で理解できなくなった人は、最後に確認しても意味がないってことです。
最後の確認のときには「理解できていない、噛み合っていない」ということは分かっても、どこからズレたのかがわからなかったんです。
そうなると、どこでズレたかを探す作業をしなければいけない。
二度手間なんですよね。
それに気づいてからは、相手に合わせて確認する頻度を変えるようにしました。
これでずいぶんと楽になりましたよ。
空気を読むとか、あうんの呼吸とか、「言わなくても分かるよね」という思いを持ってしまいがちですが、残念ながら、そんなのは無理です。
言わないと分かりません。伝えないと伝わりません。
伝え方が中途半端だと、皆、自分の都合の良いように解釈します。
コミュニケーションって、正直なところ面倒くさいです。でも、その面倒くささを嫌がっていたら、いつまでもコミュニケーションはうまくいきません。
会話が噛み合わない、コミュニケーションがうまくいかない、と言う時は、まず前提条件を揃えることを意識してくださいね。