
あの人、素敵だな。
あんな人になりたいな。
身近にそう思える人がいるのは、すごく素敵なことだと思います。
ただ、過剰な「憧れ」フィルターが、あなた自身の物事の捉え方や見方を偏らせていることには気づいていますか?
過剰な「憧れ」フィルターの弊害を知らないと、成長するどころか、どんどんダメになったしまうかもしれませんよ。
憧れフィルターは、盲目になりやすい
「恋は盲目」ということわざがありますが、憧れフィルターも、とってもよく似ています。
相手のやること、言っていることが、全部正しいと思い込んでしまうんですね。
Facebook見てると、相変わらず
「⚪⚪さん、さすがです」
「私も違和感を覚えていたんです」
「そうですよね、勉強になりました」が溢れてる。
でも、社会人をやってたら身に付くであろうことにもその反応って、経験から何も学んでません!って言ってるのと同じだということに気づいた方がいい。— 古賀ちぐさ@ワークスタイルコンサルタント (@LibertyWoman2) January 2, 2018
Twitterでもつぶやいたけど、Facebookのコメントって、「憧れ」フィルターにどっぷり浸かりこんでいる人たちで溢れているのです。
人気の起業コンサルや起業コーチ、子宮系やスピ系のカリスマたちの発言には、この手のコメントがズラリと並びます。
視線の先には、憧れのあの人しかいない。
周りが一切見えていません。
だから、「えっ、大丈夫?」という発言をしていても、全然気付かないんですよね。
だって、憧れのあの人に同意することがHappyだから。
悪いとは言いません。
FacebookもTwitterも、自分の好きなことを書いたらいいと思います。
でもね、自分でビジネスをしているなら、あなたのその発言をクライアントが見たら、どう思うかは考えた方がいいですよ。
少なくとも、「わー、そんなことも知らないんだ」と思う相手から、何かを学ぼうと言う人はいないはずです。
一時期、Twitterは「バカ発見器」と言われてたことがありますが(今も?)、Facebookは「信者発見器」「思考停止者発見器」なんじゃないかと思ったりします。
かつては、私も「思考停止者」でしたからね。
そこには、もう戻らないと固く誓っています。
他の誰かが同じことを言っていても、それに賛同しますか?
「憧れ」フィルターが強すぎる人は、「何を」言っているかより、「誰が」言っているかを過剰に重視します。
同じことを言われて、心に響く人とそうでない人がいるのは事実。
同じことを言われて、ムカつく人とそうでない人がいるのも事実。
ただ、「憧れ」フィルターを通してしまうと、「あれ?」と感じたことも、むりやり納得してしまうんです。
憧れの◯◯さんがそう言うんだから・・・
「憧れの◯◯さんが言うんだから」を繰り返していくと、その人を通してしか、物事を考えられなくなるし、見られなくなります。
実は、これがすごく危険!
自分で考えているようで自分で考えていない。
自分で見ているようで自分で見ていない。
なぜなら、判断基準が全て「憧れのあの人」になるからです。
もし、その発言を「憧れの◯◯さん以外」がしていても、同じように同意(反対)しますか?
「誰が」発言しているかは大事です。
でも、もっと大事なのは「何を」発言しているかです。
そして、さらに大事なのは、その発言を聞いて「あなた自身が」どう考えるのかです。
行動も同じですよ。
「憧れのあの人」がしている行動、他の誰かが同じことをしていても、正しい(おかしい)と思いますか?
「憧れ」フィルターに毒されて、考えることを放棄してはいけない
いわゆるカリスマたちが言う言葉に
「とりあえず鵜呑みにしてやってみる」というものがあります。
守破離の「守」だと言う人もいますね。
これも、そのまま受け取ると危険です。
まず、あなたが違和感を覚えているもの、これは違うんじゃない?と思うことを「憧れのあの人が言うから・・」で続けると、どんどん自分自身から離れていきます。
やっぱり違った!と気付いた時のダメージが、一番大きなパターンです。
(私も実際にこのパターンを経験しました)
確かに、成功した人、うまくいった人から学ぶことは大事。
自分が出来ていないのに、自分のやり方に固執したら、うまくいく確率は限りなくゼロに近い。
だから、言われたことをコツコツと積み上げる過程は絶対に必要。
ただ、考えることを放棄しちゃいかん!と思うのです。
それは、「成功者の言っていることを自分流にアレンジする」ということではなくて、「なぜ、これが必要なのかを考える」ということ。
私もクライアントさんに、色んな自宅ワークを出します。
なぜ、それをするのか・・にも、ちゃんと意味があります。
「何のためにやるのだろう?」
「なぜ、やった方が良いと言われるのだろう?」
「実際にやると、何が身につくのだろう?」
あなた自身が、ちゃんと考えるということです。
筋トレと同じです。何も知らない素人が、やり方を勝手にアレンジしたらケガをします。
でも、言われたことをただ漠然とやっていても効果は薄い。
「このトレーニングはどこに効いているんだろう?」
「確かにここに効いているな」
意識を向けながら筋トレをすることで、より効果が得られますよね。
主役は常にあなた自身である
「憧れ」フィルターが強すぎる人は、すぐ分かります。
なぜなら、主語はその人自身ではなくて「憧れの◯◯さん」だから。
◯◯さんが、言っていたから
◯◯さんが、勧めていたから
◯◯さんが、やれって言ったから
おお~~~い!
あなたの目標は『「憧れの◯◯さん」のコピー人形になる』ことですか?
あなたの目標が『「憧れの◯◯さん」のコピー人形になる』ことなら、反対はしません。
ただ、それではいつまでも、”自分らしく”働くことはできませんけどね。
もし、あなたの目標が『「憧れの◯◯さん」のコピー人形になる』ことではないなら、今すぐ、「◯◯さん」を主語にして会話するのはやめましょう。
あなた自身が、どう考えているのか。
あなた自身が、どう感じているのか。
あなた自身が、どう行動したいと思っているのか。
あなた自身を主語にして会話してください。
誰かに憧れることが悪いことではありません。
身近にお手本があることは、モチベーションを高めてくれることにもつながります。
でも、過剰な「憧れ」フィルターで、自分自身をダメにしないように気をつけてくださいね。