クライアントとのセッション中、こんな話になりました。

 

クライアントクライアント

後輩に仕事を頼んでも、きちんとやってくれないんです。どうやったら仕事をしてくれますか?

 

古賀ちぐさ古賀ちぐさ

そうなんだね。今はどうしてるの?

 

クライアントクライアント

きちんとやってくれないから、ちゃんと出来てないところは自分で修正しているし、その後は、後輩にお願いしないで自分でやってます。自分でやった方が早いし、きちんと仕上がるし

 

古賀ちぐさ古賀ちぐさ

なるほど。そもそも、あなたが思う「きちんと」ってどういうもの?

 

クライアントクライアント

◯◯で△△で××とういうことです。

 

古賀ちぐさ古賀ちぐさ

それが、あなたにとっての「きちんと」なんだね。で、それは後輩に説明してる?

 

クライアントクライアント

あっ・・・考えてみたら、言ったことはなかったかも。

 

古賀ちぐさ古賀ちぐさ

だったら、後輩は後輩の考える「きちんと」で仕事しているかもしれないね。それなのに、知らないところで修正されてたり、仕事を任されなくなったりしたら、後輩から見ると、あなたの方が「酷い先輩」になっちゃってるかも

 

これを読んでドキッとした人も多いんじゃないかな?

実は昔の私も、クライアントさんと同じことをしていました。

 

他の人に頼んだら、きちんとやってくれないから、自分でやった方が確実。

欲しいのは私自身のコピー。

 

本気でそう思っていたなぁ。

当時の私は、後輩たちに対して、ものすごく冷淡だったと思います。だって、信用していなかったんだもの。

 

この「きちんと」や「ちゃんと」って、人間関係を悪化させる禁断のワードだし、人が育たないワードでもあるんですね。

 

「きちんと」「ちゃんと」って、いったい何?

 

きちんと仕事をしてくれない

ちゃんとやってくれない

 

頼んだ方は、頭の中に完成図のイメージがあるから、仕事を依頼した相手にも、同じような仕上がりを望みます。

 

でも、その完成図は、依頼者の頭の中にしかないんです。

特に何年も仕事に携わっていると、自分の中での完成図が当たり前になっているので、「他の人には分からない」ということが分からなくなります。

 

それが「ちゃんと」や「きちんと」っていう言葉になるんですね。

 

でも、その「ちゃんと」は誰にとっても「ちゃんと」ですか?

「きちんと」は誰もが同じように考える「きちんと」ですか?

 

どちらも違いますよね。

「ちゃんと」の基準も「きちんと」の基準も、人によって全然違います。そして、何が「ちゃんと」なのか、何が「きちんと」なのかも、人によって違います。

 

本来は、とっても曖昧な言葉なんです。

 

「ちゃんと」「きちんと」は、とてつもない破壊力を持った言葉

 

何でちゃんとできないの!!!

きちんとやりなさい!!!

 

子どもの頃、親や先生から、こうやって怒られたことない?

多分、多くの人が「うん、怒られた!」って言うんじゃないかな。

 

私自身も、メンターでもあるカウンセラーさんに、「ちゃんと出来ないからダメなんです」とよく言っていて、そのたびにカウンセラーさんに「ちーちゃん、ちゃんとって何?」って聞き返されてました(笑)

 

そして、私のクライアントも、「ちゃんと出来ないからダメなんです」って言うのです。

もちろん、私の返しは「ちゃんとって何?」です。

 

「ちゃんと」とか「きちんと」って無意識のうちに出て来るんですよね。

無意識だから、その言葉に深い意味がなかったりもする。

 

でも、言われた方は「ちゃんと出来てないんだ」「きちんとしていないんだ」って、ものすごく自分を責めてしまうのです。

 

それに、「ちゃんと」や「きちんと」って、その後の反論を許さないんですよね。

何を言っても言い訳に聞こえちゃう。

 

「でも、だって、という前に『ちゃんと』すればいいでしょ?」

「そんな言い訳してないで『きちんと』したらいいじゃない」

 

こう言われたら、黙るしかありません。

たった一言だけれど、すごく破壊力を持った言葉だなと思うのです。

 

「ちゃんと」「きちんと」の中身を言葉にする

 

「ちゃんと」「きちんと」という人の頭の中には、その具体的なイメージがあるはず。

 

であれば、それを相手にきちんと説明すること。

あっ、私も、「きちんと」って言ってますね(笑)

 

ここで言う「きちんと」は丁寧にという意味です。仕事を頼む時には、自分がどう仕上げて欲しいのかを丁寧に説明する。

 

  • 何のためにその仕事を依頼するのか
  • その仕事はどんな目的で使われるのか
  • いつ、誰が必要としているのか
  • 絶対に外してほしくないところ、特に注意して欲しいところはどこか
  • やる人が工夫しても良いのか、それとも指示通りに作っても良いのか

 

少なくとも、これぐらいは説明しましょ。

何度も一緒にやっていて、気心しれていると思っていても油断は大敵。小さな思い違いが、大きなトラブルになることも。

 

トラブルになってからリカバーする手間と時間をかけるなら、最初に擦り合わせた方が、ずっと手間も少ないですよ。

 

その「ちゃんと」と「きちんと」は本当に必要?

 

とは言え、あまりにも「ちゃんと」や「きちんと」の基準が細かすぎると、周りはどんどん疲弊します。

 

だって、細かなところまで管理されているみたいで、窮屈でしょ?

そして、実は周りだけではなくて自分自身も疲弊していくのです。

 

なぜなら、自分自身にも「ちゃんと」「きちんと」と言い続けている人が多いから。

 

もし、自分の口ぐせが、「ちゃんと」や「きちんと」だとしたら、自分自身に問いかけてください。

 

その「ちゃんと」や「きちんと」は本当に必要?

そこまで「ちゃんと」「きちんと」しないと何が困るの?どんな問題が起こるの?

 

そこまで必要ないな・・と思うことが意外と多いですよ。