20代の若手社会人によく聞かれるのが、「どうやったら、うまく仕事ができますか?」ということ。
そのたびに「『うまく』仕事しようとする必要なんてないよ」と答えるのですが、そもそも、「うまく仕事ができる」ってどういうことなんでしょうね?
失敗がないことが「うまく」できること?
可もなく不可もなく、そつなくこなすことが「うまく」できること?
誰にも怒られずに過ごすことが「うまく」できること?
ハッキリと言えば、「うまい」仕事の仕方なんてありませんし、そもそも仕事は「うまく」するものでもありません。
では、仕事ってどうやってするの?って話なのですが、身も蓋もない言い方をすれば、その時々で求められることは違います。
が、若手社員に限って言えば、「全力でやること」と「失敗したら、素直に謝って次に活かすこと」だと思っています。
「うまく」を狙った途端に、つまらないことしかできない
最初にも書いた通り「うまい」仕事の仕方って何でしょう?
そつなくこなしたり、失敗しないことを「うまい」と言っているような気がするのですが、もし、そうだとするなら「うまく」を狙った途端に、つまらない仕事しか出来なくなります。
まず、まだ経験の浅い若手社員が、仕事を「そつなく」こなすことは無理です。
そつなくこなそうと思ったら、自分が自信を持って出来る範囲でしか、仕事をしなくなります。
経験が少なければ少ないほど、自分が自信を持って出来る範囲は少ないはずですから、結果、つまらない仕事しかできなくなりますよね。
さらに、人が成長するためには、今の自分が出来ることよりも少しストレッチした目標にチャレンジした方が良いと言われています。
ということは、必然的に失敗する可能性も高くなるってこと。
大きな失敗はしなくても、途中で思い通りにいかないことや、疑問に思うことなんかは山ほど出てきます。
そこで「どうしよう?」と考えて行動することで、成長していくんですよね。
でも、そつなく失敗なくを目指せば、「失敗=ダメ」という図式になるので、チャレンジすることはなくなります。
やっぱり、自分の出来る狭い範囲でしか仕事をしなくなるので、つまらない仕事になってしまうんじゃないかな。
「うまく」やることよりも、全力でやること
今、目の前にある仕事に全力で取り組む
これは、“自分らしく”働くためには大切なことなので、若手社員もベテラン社員も関係ないのだけれど。
でも、特に若手社員には、意識して欲しいと思うのです。
自分がどれぐらい出来るのか?何が得意なのか?何が苦手なのか?というのは、全力でやってみないと分かりません。
今どきの働き方改革では、絶対に勧められることはないけれど、自分がどれぐらい働けるか・・という限界を知るのも、本当は意味があることだと思うのです。
仕事をしていると、必ず踏ん張り時って出てきますからね。
その時、どこまでなら踏ん張れるのかが分からないと、自分が踏ん張れる以上のことをやろうとして、途中でリタイアしてしまったり、燃え尽き症候群になってしまったりします。
そして、全力で仕事をしている人を見ている人は、必ずいます。
格好つけて、そつなくこなそうとする人よりも、一生懸命全力で仕事に向き合っている人の方が、協力してあげたくなりますよね。
少なくとも、私はそうです。
理屈では説明できないけれど、私自身の気持ちとして「そうだ」ということ。
そして、きっと私と同じように考える人も多いんじゃないでしょうか。
仕事はひとりではできません。周りの協力は必要不可欠です。
だったら、周りの人に「協力してあげたい」と思われた方が得ですよね。
それに、力を出し惜しみせず、全力で仕事に向き合う人ほど、成長が早いですよ。
失敗しないことを目指すより、失敗した後にどう活かすかが大事
失敗はできるだけしたくないですよね。
怒られるだけじゃなくて、自分自身を情けなく感じたりもします。
人から注意されたり、怒られたりすることが極端に苦手なので、私自身も「出来る限り失敗しないように」と考えて仕事をしてきました。
それでも、するのが失敗なんですよね。
特に今までしたことがないことや、自分の出来ることよりも少し上のことにチャレンジする時は、失敗の確率はグンと増えます。
だから、失敗することそのものを「必要以上に恐れる必要はない」と思っています。
特に若手社員に新しい仕事を依頼する時は、失敗も織り込み済み。
失敗した後に、それをどうリカバーするのか?
失敗した後に、それをどう次に活かすのか?
こちらの方が余程大事です。
1回失敗したから、次にやる時は先にリスクの洗い出しをしておこう。
ここは、自分だけでやるより、あの人の力を借りた方がスムーズに進むな。
こうやって学んでくれたら、それで良し!と思いますよ。
「若手社員に、失敗したら会社の存続が危うくなるような仕事なんて、普通はさせないよ」
「もし、会社が吹き飛ぶような仕事を若手社員にさせてるなら、それは経営側の問題だし、そうせざるを得ない会社にいることの方が不安だよ」
私が会社員時代に、よく若手社員に言っていたことです。
「うまく」仕事をすることを求められる会社なら、そもそも、そこに居続ける?を考えた方が良い
若手社員に失敗もさせず、全力で取り組むこともさせず、ただただ「うまく」仕事をすることを求める会社なら、そもそも、その会社に居続けるかどうかを考えた方がいいです。
だって、「うまく」仕事をすることを求めるってことは、成長の可能性を摘んでいることと同じことだと思うから。
何度も言うけれど、特に若手のうちは「うまく」仕事をしようなんて考えなくていいですよ!
今、目の前にある仕事に全力で取り組んでくださいね。
仕事の仕方に悩んでいるなら、相談にいらしてください。一緒に考えましょう。