
コンサルやコーチングを受けると、こんなことを言われることがあります。
「悲劇のヒロインはやめなさい」
「悲劇のヒロインをしているから、うまくいかない」
正論です。反論の余地もないほど、見事な正論です。
こう言われたら、「ごめんなさい・・・」と言うしかないですよね。言うしかないけれど、やめようと思って、やめられるぐらいなら、とっくにやめてるよ!とも思いませんか?
少なくとも私はそうでしたよ。
私は長らく、悲劇のヒロインでした。多分、外からは分からなかったと思います。
なにせ、「良い子の八方美人」だったので、見えているところでは、悲劇のヒロインの欠片も見せなかったはず。(いや、欠片ぐらいは見せたかな?)
でも、心の奥では、いつも誰かのせいだったし、何かのせいでした。
私が、こんなにうまくいかないのは、あの人のせい
こんな会社にいるから、私が苦労するんだ
どうして、あの人はうまくいくのに、私はうまくいかないんだろう
あの人よりも私の方が出来るはずなのに。すっごいムカつく
などなど。今振り返っても、ブラックですねぇ。
そんな私ですが、ついこの間まで、やっぱり「悲劇のヒロインはやめなさい」って言ってました。
自分のことは棚にあげて・・・
やっぱり、美しくないんですよ。悲劇のヒロインって。
あの人が悪い、環境が悪い
そう言っている時の顔は例外なく、口がヘの字になっていて、眉間にシワがよっています。
どんな美人でも、やっぱり美しくないんですよね。
美しくないのは事実ですが、それでも前言を撤回します。
悲劇のヒロインをするなら、飽きるまでとことんやったらいい!
誰かや何かのせいでもいいし、こんなに頑張っているのに報われない私って可愛そう!と思ってもいいし、誰かを妬んだり羨んだりしてもいいです。
ただ、悲劇のヒロインをやるなら忘れちゃいけないことが3つ
- 周りを巻き込まないこと
- 中途半端にやらないこと
- キレイ事でごまかさないこと
1.周りを巻き込まないこと
悲劇のヒロインが嫌がられるのは、周りを巻き込むからですよね。
「でもでもだって」を連発し、メソメソグズグズ。
お酒を嗜む人なら、同僚や友人を誘って、お酒を飲みながら不平不満をぶちまけているかもしれません。
たまにならいいと思うのです。お互い様だし。
でも、それが週に何度も繰り返されたら??
いい加減にしてくれ!と言われても仕方ありません。
さっきも書きましたが、不平不満を口にしている時は美しくありません。美しくないものを見続けなければいけないのは、苦痛なんですよ。
だから、悲劇のヒロインをやる時は周りを巻き込まない。
これは、意識してくださいね。
2.中途半端にやらないこと
悲劇のヒロインをしている人の中には、自分が悲劇のヒロインになっていることを理解している人もいます。
そして、それが不毛であるということもわかっているんですよね。
私も分かっていました。
いくら、あの人が悪い!会社が悪い!環境が悪い!と言ったところで、何も変わらないし、自分が変わるしかないんだということも。
「悲劇のヒロインはやめなさい」
「悲劇のヒロインをしているから、うまくいかない」
頭では分かっていて、さらにこんな風に言われると、「早くここから抜けなくちゃ」と焦り始めてきます。
いつまでもこれじゃダメだ。そう思うんですね。
でも、これがいつまでも悲劇のヒロインから抜けられない大きな理由。
中途半端なところでやめてしまうから、またちょっとしたことで、引きづられてしまうのです。
だから、悲劇のヒロインをするなら、とことんやること。
この世の不幸を全部背負って、私ほど報われない人、かわいそうな人はいない。そう思ってもいいです。
思いっきり、かわいそうな私、不幸な私に酔ってください。
いつか飽きます(笑)
あれ?私、何をしてるんだろうと思いますよ、とことんやったら。
飽きたらやめればいいですよね。
3.キレイ事でごまかさないこと
上の理由と似ているのですが、悲劇のヒロインは良くないと思っていると、ついキレイ事でごまかしたくなるんですね。
人を羨ましく思うのは、その人に憧れているから
起こることは全て最善
この出来事は、全部私を成長させてくれるもの
人との縁に感謝
どれもその通りです。
私自身、確かになーと思うし、クライアントに伝えることもあります。
でも、悲劇のヒロインをしている最中は、こんなこと思わなくていいんですよ。
しかも、無理やり言い聞かせるとかしなくていいです。
誰かを羨ましいと思う時、憧れているよりも「ふざけるな!」って思うよね?
起こることは最善??そんなわけないだろうと思ってますよね?
いいです。それで。
キレイ事は自分の本当の気持ちをなかったことにします。
取り繕って良い人になったって、長続きしないですよ。
これには、私も思い当たる節がありまして・・・
私ね、「ざまぁみろ」って言いたい人がいるんですよ(笑)
心の奥でずーーーっとそう思ってきたけれど、そう思うことはイケナイと思っていたのです。だから、今までその思いを認めることができませんでした。
でもね、認めることにしたんです。
もしかしたら、「ざまぁみろ」って言えるようになった時、あー、もう言わなくていいやと思うのかもしれないし、その前にまぁ、いっかと思うのかもしれません。
それでも今は「ざまぁみろ!」って言ってやりたい思いでいっぱいなので、それが私の原動力のひとつになっています。
キレイ事でごまかすと、そのキレイ事を守るために、色々なことをキレイ事にしなければいけなくなります。
ウソを付くとそのウソを守るために、さらにウソを重ねるのと一緒ですね。
そして、それはどんどん自分を辛くさせます。
だから、悲劇のヒロインをするなら、中途半端にキレイ事を持ち出すのはやめましょう。
とことん恨んで悪態をついて、醜いところを曝け出しましょう。
こう考えると、悲劇のヒロインをやるのも、なかなかシンドイですね(笑)
ひとりでは、どんどんドツボにはまってしまう方、飽きたので悲劇のヒロインから脱出したい方は、いつでもいらしてください。お待ちしています。