
昨日も紹介したこちらのツイート。
社畜から抜け出す=会社を辞めるという思考しか持てないなら、浅いし狭いなと思う。会社に勤めながら、会社と対等になる、あるいは利用することなんて、いくらでも出来るし、本当に仕事が出来る人は、そうしているはずだよ。
— 古賀ちぐさ@ワークスタイルコンサルタント (@LibertyWoman2) June 15, 2018
「会社を利用する」と書いたけれど、会社を利用するって、「会社と戦え」とか「会社の言うことを聞くな」とかそういうことじゃないですよ。
やたらと会社と戦ったり、逆らったりしたら仕事がしにくくなりますよね。
会社で働き続けるなら、むだな軋轢はうまないに越したことはないです。
そうではなくて、自分にとっても会社にとっても利のあることをする、「Win-Win」の関係を築くということです。
「丁寧に仕事をする」のが全てのベース
会社と対等になる、会社を利用するというと、何となく目立つことをしたり言ったりすることだと勘違いしがちです。
会社の方向性に反対したり
上司の言葉に意義を唱えたり
「これからは◯◯の時代です」なんて言ってみたり
でも、会社と対等になる、会社を利用するために、最初にしなければいけないことは、目立つことではありません。
自分の仕事を丁寧にすること
これがすべての基本であり、ベースです。
仕事がら、たくさんの人と話をしますが、とても残念だなと思う人がいます。
それは、「今の会社は〜」「うちの部署は〜」と「これからは〜」と言うだけで、自分の仕事を丁寧にしていないこと。
手を抜くべきところじゃないのに手を抜いていたり、納期や約束を守らなかったり。
「いやいや、偉そうなことを言う前に、やるべきことはやってよね」と言われてしまう人ですね。
言っていることそのものは、正しかったりするんです。
でも、いかんせん説得力がない。
さらに、「そうするために、あなたは何が出来ますか?」と聞くと、途端に及び腰になってしまうのです。
これって単なる評論家ですよね。
頭の良い人が陥りがちですが、評論家になったところで、あなたにも会社にもメリットはありません。
「会社を利用する」と決めたなら、まずは、今、目の前にある仕事を丁寧にすること。
目の前の仕事すら丁寧にできない人に、「会社を利用する」ことはできませんよ。
会社や働き方が変わっても使えるスキルを身につけること
私はクライアントに「その会社でしか使えないものではなくて、会社や働き方が変わっても使えるスキルを積極的に身につけて。そのために会社を利用して!」と言います。
「私の仕事は、◯◯に特化しているから、他の会社では役にたちません。どうすればいいですか?」という相談も受けるのですが、それは違います。
もしかしたら、仕事のスキルそのものは、他の会社では活かしづらいことがあるかもしれません。
でも、会社ってそれだけではないですよね。
何を身に着けたら良いかは、目指すキャリアによってそれぞれなのだけれど、強いていうならこの2つ。
- 会社で提案を通すスキル
- チームを作るスキル
この2つのスキルは、私の経験上、かなり汎用性が高いんじゃないかなと思います。
社内提案を通すスキルを身につけると、起業した時に営業に活かせる
将来起業をしたいと思っているなら、社内で提案を通すスキルはとても役立ちます。
社内で提案を通すには、色んなことを考えなければいけません。
- この提案は相手(会社)にとってどんなメリットがあるのか
- この提案は相手(会社)のどんな問題を解決できるのか
- 最終的にGoサインをもらうには、どこからどんな風に攻めたら良いのか
- 事前に根回ししておく必要はあるか。もしあるなら、どこにどんな風にしたら良いのか
- 準備しておくべきものは何か。
- どうやったら、次のステップに進めることができるか
などなど。
会社にとって、もしくは提案する相手にとってメリットがないと、提案にOKはもらえません。
これって営業しているのと一緒なんですよね。営業だって、顧客にメリットがないと買ってはもらえません。
「営業をしたことがないから、営業が苦手」という話も聞きますが、「社内提案を通す」ことを身に着けたら、営業にだって活かせるのです。
「社内提案を通すこと」は何度だってチャレンジできます。しかも、ダメージ少なく。
提案が通るということは、会社にとって何らかのメリットがあると判断されたということ。お互いにハッピーになれますね。
最初は小さな提案を通すところから初めて、少しずつ大きな提案にチャレンジしてみる。
そうやって段階を踏んでチャレンジできるのも、会社員のメリットだと思います。
もちろん、起業をしなくても社内で提案を通すスキルは役立ちます。
どうやったら提案が通るのか。ゲーム感覚でチャレンジするのも良いと思いますよ。
仕事はひとりでは出来ないから、チーム作りは必要不可欠
私のクライアントには、チーム作りに取り組んでいる人が多いので、私も組織開発の経験を使って色々とサポートしています。
これからはチーム作りのスキルを持っていると、大きなアドバンテージになるはずです。
なぜなら、仕事はひとりでは出来ないからです。
今までの人材開発、人材育成は、ひとりひとりの能力をどう活かすかを中心に考えられていたんですね。
各種スキル研修もしかり、最近流行りのコーチングもしかり、私がやっているキャリアコンサルもそうですね。
ひとりひとりが成長すれば、チームや組織も成長すると思われていたんです。
でも、実際にはそうではありません。
ひとりひとりの能力が高くても、チームや組織の能力は高くならないんですよね。
野球やサッカーで上手な人ばかりを集めたからと言って、強いチームにならないのと一緒です。
強いチームや強い組織を作るには、お互いの関係性がとても大事。(もちろん関係性だけで全てが解決するわけではない)
関係性をどう作るかがチーム作りのスキルです。
チーム作りって、今いる会社だけで必要なことではないですよね?
中小企業であろうと大企業であろうと、どの会社でも必要なことです。チーム作りのスキルを身につければ、別の会社でも、その力を発揮できるわけです。
そして、これも会社の中で実験しながら身につけられるもの。
会社にとっても、チームや組織が成長することは、願ったり叶ったりのはずですから、やっぱり双方にメリットがありますね。
お給料をもらいながらチャレンジできるのは会社員の特権
社内提案を通すスキルも、チーム作りのスキルも、それ以外のスキルも
会社にある資源を使って
会社にいる時間を使って
お給料をもらいながらチャレンジできる
こんな最高の場所ってないと思いますよ。
そして、これこそが「会社を利用する」ことだと私は思っています。
特にお給料をもらいながら、チャレンジできるというのは、会社員の一番の特権じゃないかな。
これをフリーになってからやろうと思ったら、全て自分の持ち出しですからね。
最初にも書きましたが、突拍子もないことや目立つことを言ったりやったりすることが、「会社を利用する」ことではありません。
いきなり大きなことをやる必要もありません。
小さなことからでも、「会社や働き方が変わっても使えるスキルを積極的に身につける」ことはできます。
自分で考える力をつけることも、そのひとつですよね。
ぜひ、あなたにとっての「使えるスキル」を会社を利用しながら身につけてください。
あっ、『自分の仕事を丁寧にする』というベースは、絶対に忘れないでくださいね。
自分はどんなスキルを身に着けたらいいんだろう?と思ったら、いつでも相談にいらしてください。
目指すキャリから、必要なスキルを一緒に考えていきましょう。