相変わらず、「ご自愛」やら「女性性を高める」やらが人気のようですね。

幸い、私のクライアントに「女性性を高めると悩みは解決するんですか?」などと聞く人はいませんが、もし、本気でそう思っているのであれば、その考え方は今すぐ捨て去った方が良いですよ。

 

女性性を高めたって、解決できない悩みは山ほどあります。

少なくとも、私がご相談を受ける悩みの解決策が「女性性を高める」だったことはありません。

 

「ご自愛」して「女性を高める」と悩みが解決するなら、世の中、こんなに迷子になる人はいませんよ。

 

これは、私自身が「ご自愛」にも「女性性を高める」ことにも片足を突っ込んだ経験からも言えることです。

 

自分を大切にすること、女性であることを楽しむことが悪いことではない

こんなことを書くと、「ご自愛することは大事です」「女性を楽しんではいけないんですか?」と言われそうなので、最初に書きます。

 

自分を大切にすること、女性であることを楽しむことは、とても良いことです。

 

自分を大切に出来ない人が、他人を大切にすることは出来ないと思っているし、女性であることを否定して生きていたら、息苦しいだけです。

 

私の専門であるキャリアの側面からみても、どちらも大切なことだと思います。

良い意味で「女性ならでは」ということもあるし、自分自身の強みと合わせて活かすことで、自身のキャリアを豊かにすることができますしね。

 

私がサポートする時も、「自分を大切にする」ところから始めるクライアントは、とても多いです。

まず自分を大切にして、自己肯定感を高めないことには、その先には進まない。

 

ただ、自分を大切にすることや女性を楽しむことは土台でしかなくて、そこを整えた上で、具体的に悩みを解決に導くための行動や視点が必要なんですよね。

 

残念ながら、「女性性を高めれば〜」とか「ご自愛すれば〜」と何とかの一つ覚えのように言っている人たちには、そこが足りないのです。

 

専門性を持たない人ほど、「ご自愛」や「女性性」を連発する

とある相談に対して、「この文章の中に悩みの問題はない。本当の問題は、あなたの女性性が開放されていないこと。あなたの中にある女性が、もっと話を聞いて!と訴えて悩み事を作り出している」という回答を読んで、ビックリしたことがあります。

 

いやいやいやいや、そんなわけあるかい!と。

 

私が読んだのは文章だけですが、その文章の端々に「自分に対して甘く、何でも人のせいにする」という思考のクセが出てたんですね。

だから、まずはそのクセを直さないと、どんなアドバイスも無意味だろうなと思ったのです。

 

それなのに「女性性を開放しなさい」「あなたの女性がもっと話を聞いてと訴えている」って、いったいどうしたらそうなるんだ????

 

でも、考えてみれば「ご自愛しなさい」「女性性を開放しなさい」って便利なんですよ。

そこに専門知識は一切いりません。

キャリアの知識も、心理の知識も、ビジネスの知識も、化粧品やアロマの知識も、何もなくても言える言葉なんです。もちろん、カウンセリング技能やコーチング技能もいりません。

 

その上、専門的な突っ込みを受けることも少ないから使いやすい。

仮に突っ込みを受けたところで、それこそ「そういう発言をすることそのものが、男性優位だから」とか「ご自愛が足りないから、そんな気持ちが生まれるんだ」とか言われたら、それ以上何も言えないですよね。

 

私の周囲には、色んなプロがいます。

心理のプロ、肌のプロ、マーケティングのプロ、メイクのプロ、その人たちから「女性性が」とか「ご自愛が」なんて聞いたことはありませんよ。

専門知識を持つ人は、それぞれの悩みに対して専門家としてのアドバイスをします。

 

そして、仮にその悩みが自分の専門知識では解決できないと分かったら、素直にそれを伝えます。

 

「それは私の専門分野ではないから、アドバイスできません」と。

 

自分の専門分野に対する自信があるからこそ、そう言えるのではないかと思うのです。

そして、自分の専門分野を大切にしているからこそ、それ以外の分野に対するリスペクトもあるんじゃないのかなと思うのです。

 

「ご自愛」や「女性性の開放」にのめり込むのは、痛い思いをしたくないから

「ご自愛」とか「女性性の開放」しか言わない人たちに悩みを相談したところで、何となく良い気分になって、解決したような気持ちになるかもしれないけれど、実際には何も解決しません。

 

だから、本当に悩みを解決したいと思うなら、それぞれの専門家に相談するのが一番だと思うのですが。

 

そうしないのは、相談する側も痛い思いをしたくないからじゃないのかなと思うのです。

 

自分自身が片足を突っ込んでいた時のことを振り返っても、そうだったんですよね。

ちゃんとした人にアドバイスを求めたら、自分の耳に痛いこともたくさん言われるわけです。

今なら、それを受け止めて改善しないと、何も解決しないということはよく分かるし、当時、「何でこんなことを言われなくちゃいけないの?」と思っていたことが、実はすごく大事だったことにも気づきました。

 

でも、それがツライ時もあるんですよね。

そうすると、耳の痛いことは言わない(専門知識がないから言えない)、分かったようなわからないようなアドバイスの方が受け取りやすいのだと思います。

自分の気持ちも落ち着くし、「ご自愛」とか「女性性」って何となくワクワクするもんね!

 

どんなアドバイスも、自分自身にとって受け取れるタイミングってあると思ってます。

必要なことであっても、受け取れない時期って確かにあります。

相手との相性によっても変わります。

 

だから、無理して耳に痛い話を聞きなさいとは言いません。

ただ、本当に悩みを解決したいと思っているなら、耳障りの良い言葉だけじゃなくて、耳に痛い言葉も受け取らないと解決しないことは多いですよ。

 

もし、「ご自愛」とか「女性性を高める」とか、そういう言葉ばかりを好んで受け取っているのなら、

 

「あー、今、自分は痛い思いをしたいと思ってないんだな」

「本気で悩みを解決したいわけじゃないんだな」

 

と思ってください。

 

最初にも書いたとおり、自分を大切にすることが悪いわけでも、女性であることを楽しむことがダメなわけでもありません。

どちらも、自分の人生を楽しく生きるためには必要なことです。

 

ただ、それだけで悩みを解決できるほど、単純じゃないよということ。

仕事のスキルとか上司や同僚、後輩との人間関係とか、ご自愛して女性性を高めても解決しませんから。

 

そこはきちんと理解しておいてくださいね。