
私がクライアントの話を聞く時に、よくする質問が
「どうして、そう感じるの?」
「なぜ、そう思うの?」
「その時、どんな気持ちだった?」
という、クライアント自身が感じたこと、思ったこと、その時の気持ちを確認するもの。
でも、この質問をすると、多くの場合
「えっと・・・・」
「うーん・・・」
と言って固まってしまう。
そして、すごく悩んだ結果、「分かりません」って言われることも珍しくないんです。
ほんとうは「分かりません」って変なんだよね。
だって、自分自身のことを聞かれてるんだから。
自分がどう感じたのか
自分がどう思ったのか
自分がどんな気持ちだったのか
分からないはずがないんです。
だけど、「分からない」
どうして、そんなことが起こるんでしょうね。
その理由は簡単
事実や出来事にばかりフォーカスしているから
何をしたのか/しなかったのか
出来たのか/できなかったのか
言ったのか/言わなかったのか
この質問には、皆さんスラスラ答えるし、何なら、聞いていない事も教えてくれる。
それだけ、「事実」や「できごと」に意識が向いているってことです。
でも、その時に自分がどう感じて、どう思って、どんな気持ちだったか・・という、自分の内面には無頓着。
これは習慣もあるのかもしれません。
仕事をしていると、「論理的に話しなさい」「事実を述べなさい」って言われることが多いですよね。
だから、意識がそこに向いてしまうのは仕方ないと思います。
だけど、事実にばかりフォーカスしていると、いつまで経っても自分自身の事は分かりません。
なぜなら、自分のことを知るために大事なのは
事実ではなく、「なぜ?」という気持ちであり、思いであり、感情だから
例えば、「すぐに人に対して怒ってしまう」としますよね。
人に対して怒るは、「事実」です。
では、どうして怒ってしてしまうんですか?
その時、どんな気持ちですか?
あなたの中にどんな感情が沸き起こりますか?
ある人にとっては、「自分を蔑ろにされて悔しい」から怒りを覚えるのかもしれません。
また別の人にとっては、「自分自身をバカにされていると感じる」から怒りを覚えるのかもしれません。
もしかしたら、恥ずかしさを隠すために「怒り」として表現する人もいるかもしれませんね。
その時、その時の状況や、自分の状態によっても変わるはずです。
ちなみに私は、ほとんど怒りませんが、怒る時は「自分が理解されないようで悲しい」が一番多いかもしれません。
今回は「怒る」ことを例にあげてみたけれど、他のことでも一緒ですよ。
自分が社会の中で輝いて働き続けるためには、自己理解は基本中の基本。
自分自身を知らなければ、他人を知ることもできません。
もちろん、自分を知るために「事実」や「出来事」を振り返ることも大事。
でも、それだけにフォーカスして、自分の気持ちや思い、感情を蔑ろにしてしまっているなら、自分の内面にもっと意識を向けてください。
「どうして、そう感じるの?」
「なぜ、そう思うの?」
「その時、どんな気持ちだった?」
自分自身に毎日質問してみてください。
最初は「うーん」と悩んでしまうかもしれないけれど、繰り返していけば、必ず答えられるようになりますよ。
ひとりではうまく出来ない方は、いつでもご相談にいらしてくださいね。