
クライアントと話をしていると、よく出て来る言葉
みんなに言われるんです
みんなにそう思われているんです
みんなに反対されるんです
「みんな」という単語が、本当によく出てくるんですよ。
クライアントから「みんな」という単語が出てきた時、その後はこんな会話が繰り広げられます。

本当にみんな?

はい、みんなです!

じゃぁ、みんなって具体的に誰?

えっと、AさんとBさんと・・あと・・Cさん。それと・・・・あれ?

みんな・・じゃ、ないねぇ(笑)

ほんとだ。そうですねぇ(笑)
最初は「みんなです!」と言っていたクライアントも、具体的に名前をあげてみることで、「あれ?みんなじゃない」ということに気付くんですね。
実態は大したことがないのに、「みんな」というだけで、なぜかすごく大きなことのような気がしてしまうのです。
自分で自分に足かせをつけてどうするの?
みんなに言われるんです
みんなにそう思われているんです
みんなに反対されるんです
その後に続くのは、なぜかマイナスの言葉が多いのね。
「みんなにそう言われるから頑張ります!」とか「みんなにそう思ってもらえて嬉しいです」というのは、あんまり聞いたことがないなぁ。
自分自身が不安に思っていたり、自信がなかったりするんでしょうね。
だから、それを補うべく「みんな」という言葉を使うんじゃないかな。
もちろん、意識して「みんな」と使っているわけじゃないんですよ。
だから私が、「みんなって誰?」と聞いて、名前が2〜3人、多くても4〜5人で止まると「あれ?みんなじゃなかったですね」という笑い話になる。
でも、無意識でそう思ってしまっているから、ついそれが言葉になって出てきてしまう。
反対されているんじゃないかな?
何か悪いことをしてしまったんじゃないかな?
こんな風に不安に思っていて、「だって、みんなが・・」という言葉が出て来るなら、一度冷静になって考えてみて。
みんなって誰のことですか?
きっと、私のクライアントのように「あれ?別にみんなじゃなかった」ということになるはずですよ。
「みんな」は人を煽るのにも、便利な言葉
子どもの頃、何か手に入れたいものがあると
「だって、みんな持っているもん!」と言った経験ってありませんか?
私もよく言っていたような気がします。
そして、親に「みんなって誰!」と言われていましたね。やっぱり、みんなはみんなじゃなくて、ほんの数人だったのだけれど(笑)
子どもの頃に学習したはずなのに、やっぱり「みんな」という言葉に弱いんですね。
大人になっても「みんな」という言葉は誰かを煽るのに、とっても便利な言葉です。
えっ、まだやってないの?早い人は、もうみんなやってるよ
えっ?そんなことも知らないの?みんなは、もう知っているよ
えっ?そんなこと言うのは、あなただけだよ。みんなはそんなこと言わないよ
どこぞのインフルエンサーや、ぼったくりサービスをする人たちが言いそうな言葉ですが、まさしくこれ!
ここで、「みんなって具体的に誰ですか?」と聞けたら、たちまち「みんな」じゃないことが分かるのだけれど、たいていはその場の雰囲気に流されますよね。
しかも、「みんな」と言われた途端に、「みんな」の中にいない自分が恥ずかしくなったりして。
遅れちゃいけない、そこから外れちゃいけない。
そんな心境になってしまったら、後は相手の思うツボです。
多数の意見に対して、少数派だと思わせることで、相手に恥の意識を持たせることができれば、相手は自分たちの意見に同調してくれる確率が高くなりますから。
だからこそ、ここでも「みんなって誰ですか?」と聞くことが必要なんです。
みんながどうかは関係ない。あなたはどうしたい?どうするの?
自分が「みんな」と言っている時には、自分に対して「みんなって誰?」と確認する。
相手が「みんな」と言っている時には、相手に対して「みんなって誰?」と確認する。
確認すれば、みんながみんなじゃないってことが分かります。
「みんな」と言っていると、小さな出来事も大きなことのように感じちゃう。
だから、「みんなって誰?」と確認することで、元の正しい大きさに戻してあげる。
それができないと、自分にとっての正しい判断って出来なくなると思うのです。
でも、本当はいちばん大事なことは「みんな」かどうかではないのです。
あなたはどうしたいのか?
あなたはどうするのか?
決められるのは、あなた自身です。
あなた自身の決断を助けるためにも、「みんな」という言葉は使うな、危険!ですよ。