
結婚適齢期の女性は、採用しづらい。
妊娠適齢期の女性は、採用しづらい。
だって、結婚してすぐに妊娠してしまったら、お金をかけて採用した意味がない。産休、育休で長期間離脱されたら困る。
だから、適齢期の女性採用は躊躇する。
能力が同じなら、女性ではなく男性を採用する。
採用市場でよく聞く話ですね。制度が充実している大企業はともかく、中小・ベンチャー企業では、なかなか切実な問題かも。
政府は女性活用と言うけれど、口を出すだけなら、何とでも言えるよね!とも思いますよね。
でも、『適齢期の女性を採用するのはリスク』だなんて、もっともらしいことを言って優秀な人材を逃す方がずっとリスク。
優秀な人材をみすみす逃しておいて、「人がいない」「優秀な人がこない」は、ずいぶんと勝手だなと思います。
「すぐ辞めるリスク」は適齢期の女性だけに限らない
妊娠したらすぐに辞めてしまうかもしれない、入社してすぐに産休→育休を取得されたら、採用した意味がない。
リスクだ、リスクだと言う人たちは、よくこんなことを言いますが・・
すぐ辞めるリスクがあるのなんて、妊娠だけに限らないのよ?
- 会社の仕事が合わなくて、入社してすぐに辞めちゃうかもしれない
- ご家族の事情で、仕事よりも家事や介護に力をいれなければならないかもしれない
- メンタル不調に陥って、長期で休職してしまうかもしれない
それこそ縁起でもないけれど、入社した翌日に、不運な事故に巻き込まれて、出社取りやめになるかもしれないんですよ。
実際、他の候補者を断って内定をだした人が、入社当日に出社しなかった・・なんて笑えないことありました。
当時五反田の会社にいて、私のあまりの怒りっぷりに慌てた配属予定先の本部長が、外に連れ出しくれて一緒に桜が満開の目黒川沿いを散歩したのは、今となっては良い思い出(笑)
そもそも、人を採用するって、誰を採用しても「リスクと隣り合わせ」なんですよ。
会社にはきちんと出社するけれど、期待した能力を全く発揮してくれない人だったら、それも困りますよね。
適齢期の女性だけがことさら、採用リスクが高いわけではないんです。
それに、体調にもよりますが、妊娠しても産休に入るまで続けてくれる女性も多いです。
これってすごくありがたいです。
いつ妊娠が分かるかによりますが、妊娠が分かってから出産までは、時間があるはず。その間に採用の手配をしたり、業務の割り振りをしたり、準備期間が持てるんですよね。
急に会社に来なくなった、連絡が取れない!だと、こうはいきません。
バタバタのまま動かなければいけないので、本当に困ってしまうのです。
適齢期の女性は採用しづらい!という色眼鏡で見てしまうと、リスクばかりが思い浮かぶけれど、冷静に考えると、実はリスクでも何でもないのです。
むしろ、色眼鏡で優秀な人材を逃すことの方が、ずっとずっと会社にとって損失ではないですか?
リスクばかりを考えていたら人材採用はできない
人材採用は時間もお金もかかります。
そして、採用担当者の労力も半端じゃありません。
採用できなければ、「人事はちゃんと仕事しているのか」と文句を言われ、採用した人が残念ながら活躍できなければ、「人事は見る目がない」と文句を言われる。
いやいや、採用するって最終決定したのは、あなたでしょ?
と思っても、なんだかんだで人事が文句を言われることって多いですよね。
ほんと、人事の皆さまお疲れさまです。
だから、人材採用に慎重になる気持ちは、とてもよく分かります。
特に中小・ベンチャー企業は、大企業よりも人を採用する苦労は大きいし、採用した人材が残念な人だったら、ものすごくインパクトがあるので、さらに慎重になります。
でも、リスクばかりを考えていたら人材採用はできません。
人との出会いは「縁」だから。
「あの人もリスク」「この人もリスク」なんて考えて、「リスクのない人が欲しい!!」と必死で探したところで、そんな人、ひとりもいません。
誰を採用してもリスクはあるのです。
だったら、リスクばかりを探すのではなく、候補者が入社した時に、会社にどんな良い作用をもたらしてくれるのかを考えた方がずっといいですね。
これから労働人口はどんどん減っていきます。
労働人口が減るということは、「この人もリスク」「あの人もリスク」と言っている会社は、ますます採用が難しくなるということ。
自分たちの会社に合わない人を採用することはありません。
でも、採用しない理由が「適齢期の女性だから」であるならば、その考えはちょっと改めてみませんか?
実際のところ、優秀な女性ってすごく多いですよ。
仕事に費やせる時間が決まっているだけで、一生懸命働こうと思っているワーキングマザーは、ほんと優秀です。
ワーキングマザーの話は、また別の記事に書こうと思います。
そうそう、最後にひとつだけ。
子どもができたら、できるだけ早く上司や人事に報告してください。
時々、「仕事が忙しい時に申し訳ない」と気を使ってしまう方がいるようだけれど、その気遣いの方が会社にとっては困ってしまいます。
人に関わることは準備に時間がかかるので、それだけはお願いしますね。