上司・部下間でコミュニケーションギャップがある、というのは多くの方が実感していると思います。

私自身、現在進行系でそのギャップに直面中。

 

上司は、「ちゃんと伝えている。理解してくれない部下に問題ある」と言い

部下は、「聞いていない。上司はもっとちゃんと伝えるべき」と言う。

 

このギャップって、なかなか埋まらないんですよね。

そして、どっちが悪いか?と言われると、どちらかだけの問題ではないことも多いんです。

 

ただ、敢えて今回の記事では、「上司よ!その伝え方で伝わっていると思ったら大間違いだよ」というところに焦点をあてて書きたいと思います。

 

事実と主観をごちゃ混ぜにするから、伝わらない

事実だけ伝えるって、実はかなり難しいのです。

なぜなら、人は必ず自分の主観(色眼鏡)を通して、物事を見てしまうものだからね。

 

例えば3000万円の売上目標に対して、結果が2980万円だったとしますよね。

 

「売上目標に達しなかった」

これは事実です。誰が確認しても2980万円の売上は2980万円の売上で、3000万円の目標には達していませんね。

 

「みんなは頑張ってくれたけれど、売上に目標には達しなかった」

「売上目標に達しなかったのは、何がなんでも売るという気持ちが足りないからだ」

 

これは事実ではありません。

「みんなが頑張った」あるいは「気持ちが足りないから」かどうかは、分かりません。

上司がそう感じているだけです。

 

そして、この色眼鏡が人によって違うので、話がややこしくなってしまうのです。

なぜなら、多くの場合、『事実』よりも『主観(色眼鏡)』に人は引っ張られてしまうから。

 

私のクライアントにも、「事実と主観は分けて考える」という話はよくするし、そのことが体感できるワークショップも開催するのだけれど、なかなか一筋縄ではいきません。

 

自分が今、何について話しているかを認識しないと、話はどんどんズレていってしまいます。

主観を持ってはいけないということではないので、誤解しないでください。

 

事実は事実。

主観は主観。

 

これを分けて考えることが大事ということです。

同じ出来事であっても、捉え方で180度違うものになってしまう・・というのは、よくあることですからね。

 

「自分と同じ前提を持っている」と思い込むから伝わらない

「部下に全然伝わらないんだよね」と言う上司の話を聞くと、「自分と同じ前提を持っている」と思い込んでいる上司が、すごく多いんです。

 

どうして「自分と同じ前提を持っている」と思い込むかというと、「ずっと一緒に仕事をしてきたから」「ずっと同じクライアントを担当しているから」「社会人なら当たり前」などと思っているからですね。

 

でも、本当にそうですか?

もし、そうだとするならば、あなたもあなたの上司の意見は、同じように理解できていますよね。

仕事に限らず、長年連れ添ったパートナーがいるならば、パートナーの言っていることは、全て伝わっているはずですね。

 

いやいや、そんことできるわけないでしょ。

 

そう思いましたか?

そのまま、そっくり部下の言葉ですよ。

 

同じチームで仕事をしていたり、同じクライアントを担当していたりすれば、前提が似通ってくることはあります。

もしかすると、その中に自分と同じように感じる人がいるかもしれません。

 

でも、それは「たまたま」です。

たまたま、そういう人がいただけのことです。それを「当たり前」だと勘違いすると、途端に物事は伝わらなくなりますよ。

 

言葉を端折るから伝わらない

言葉を端折る人、本当に多いです。

これも、前提が同じだという思い込みからきているものかもしれませんね。

 

「◯◯になったから、やっておいて」

 

これで上司の意図を全て汲み取れとは、何とハードルの高いことか。

「部下が全然理解してくれない」って、それこそ当たり前だと思いますよ。

 

  • なぜ、それをすることになったのか
  • それをする目的は何か
  • それをすることで、得られるものは何か
  • どうして、あなたにお願いをするのか
  • いつまでにどこまでやれば良いのか

 

最低限、これぐらいは伝えましょうよ。部下はエスパーではありませんよ。

仕事をブラッシュアップするために部下とやり取りする時間は、とても大切だと思います。

でも、「こうですか?」「いや、そうじゃない」「だったら、こっち?」「それでもない」と言う不毛なやり取りに時間を費のは、単なる時間の無駄。

 

ひとつひとつは些細だけれど、無駄な時間の積み重ねが生産性の低下を招いていることに気付いてくださいね。

 

伝わらないと思うなら、「伝わる」にはどうしたら良いか?を考える

部下に話が伝わらないのは、部下の意識に問題があるからだ

部下に話が伝わらないのは、部下の理解力に問題があるからだ

 

確かに、そういう側面はありますね。

私も、何をどうやって伝わらない人がいて、頭を抱えたことがあるから分かります。

 

結局私は、その伝わらない人には、全部を伝えようとすることをやめました。

全部を伝えようとすることで、相手もどんどん混乱していくし、私自身もイライラするだけなので、相手が理解できる範囲のことだけを伝えました。

 

1を言ったら10まで理解できる人

1を言ったら5までは理解する人

1を言ったら1だけ理解する人

1を言っても0.6しか理解出来ない人

 

いろんな人がいます。

「部下が悪い」と言いたい気持ちは分かりますし、私もそう言っていました。

 

でも、相手のせいにしたところで、状況はよくなりませんし、自分のイライラも減りません。

だったら、いろんな人がいる中で、自分に出来ることは何か?自分がどう伝えたら、少しでも伝わることが増えるか?を考えた方が、長い目で見たときには、ずっと得です。

 

そうやって考えれば、『1を言って10まで理解出来る人』と『1を言って0.6しか理解出来ない人』に対しては、伝える内容も伝える言葉も変える必要があると気づきますよね。

 

100%自分の考えが伝わることはない

どんなに伝え方を工夫しても、100%自分の考えが伝わることはないと思っています。

 

それは、人はどうやっても自分のフィルターを通して、物事を受け取るから。

100%伝わることはないから諦めるのではなく、100%伝わらないという前提で、少しでも自分が伝えたいことを相手に伝えるためにどうするか

 

それを考えて実行することが大切なんじゃないかな。

部下のせいにすることは簡単。

でも、それではいつまで経っても、上司としてのあなたの評価は上がりませんよ!