
「メンバーが理解してくれないんです」
「そんなこと言いたいわけじゃないのに…」
「どうして私の意図を汲み取ってくれないんだろう」
女性リーダーの方々と話しているとよく聞くお悩みです。
メンバーに話を聞くと、こう返ってきます。
「リーダーの言ってることの意味が分からないんです」
「なんで、あんなこと言うのか理解できません」
「何も説明してくれないから困ってるんです。」
リーダーは「自分は伝えているのに部下は理解してくれない」と言い、メンバーは「上司は全然説明してくれないし、たまに説明してくれても言っている意味が分からない」と言う。
どうしてこうなってしまうんでしょう?
たまたま、うまくコミュニケーションが取れていないリーダーとメンバーなのでしょうか?
きっとそうではないはずです。
程度の差はあっても、多くの職場で起こっている問題だし、悩んでいる方もすごく多いですね。
あなたも心当たりはありませんか?
「りんごの絵を書いて」だけでは、同じ絵にはならない
突然ですが「りんごの絵を書いてください」と言われたら、どんな絵を書きますか?
ある人は、赤い丸ごとの、りんごを書くかもしれません。
ある人は、青りんごを書くかもしれません。
ある人は、切ったりんごを書くかもしれません。
齧ったりんごを書く人も、白雪姫の毒りんごのような、黒っぽいりんごを書く人もいるかもしれません。
でも、「りんごを書いて」と言った人が、「りんごを書けと言ったら赤くて丸いりんごを書くべき」と思い込んでいたらどうでしょう?
切ったりんごを書いている人を見て、「えっ?何書いてるの?私はりんごを書いて!って言ったじゃないか」となってしまうのです。
切ったりんごを書いて怒られた人は、「えっ?だって、りんごを書けば良いんでしょ?何で怒られなきゃいけないの?」と理不尽に感じちゃう。
これが仕事の場で頻繁に起こっているのです。
ズレて伝わるのは、言葉の定義が違うから
なぜ、こんなにズレるのか?といえば、言葉の定義が人によって違うから。
ズレを防ぐには、「ここで言っている『りんご』とは、齧ったりんごでも、青りんごでも、切ったりんごでもなく、赤くて丸いりんごだよ」と全員で前提条件を一致させることです。
読むと「当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、出来ていないパターンがとても多い!
何となく分かったような気分になる言葉は特に注意。
例えば「チームには一体感が必要だよね」とか「成長しないメンバーはダメだよね」とか。
一体感とは何を指しているの?
成長しているとは、どうなったら成長していることになるの?
会社やチームによって、求める一体感も違うし、何をもって「成長」と呼ぶのかも違うはず。
それなのに、丁寧に説明しないから、「何を目指したいか分からない」とか「成長しろという割に、評価してくれない」とか言われるのです。
「〜したつもり」が一番危ない
言葉を尽くせば、全てが理解されるわけではありません。
でも、「言葉の定義を揃える必要がある」と分かっていれば、メンバーに対して、丁寧に伝えようと意識しますよね。
そしてメンバーと前提があっているか確認することもできます。
「言ったつもり」「分かっているつもり」が一番危険。
ぜひ、今までもよりも丁寧にメンバーと対話してみてくださいね。
ひとりよがりのコミュニケーションをしていると、「メンバーに突然「会社を辞めたいんです」と言われてしまうのはなぜ?」に書いたように、メンバーのビックリ退職が増えることもあるのです。
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