「会社を辞めたい」という相談は、会社員時代から、それはそれはたくさん聞いてきました。

 

基本的に私のスタンスは、今も昔も「嫌なら辞めればいいんじゃない?別に会社はそこだけじゃないんだし」です。

 

ただ、そこには「本当に辞めることが悩みの解決につながるなら」という前置きが入るんですよね。

 

「会社を辞めたい」という人の多くは、本当は“会社が”嫌なわけでも“会社から”逃げたいわけでもないんです。

根っこには違う問題や悩みがあるのだけれど、それが見えていないから、分かりやすい「会社」を原因にしちゃうんです。

 

これは嘘をついているわけでも、誤魔化そうとしているわけでもないですよ。

本人も気づいていないだけ。

気づいていないんだから、問題として認識されることもないですよね。

 

だから、安易に「辞めればいい」という、コンサルやカウンセラーは信用しちゃいけません。

 

会社を辞めたいから起業したい

 

私が本格的にキャリアコンサルの仕事を始めた時、「起業したいけれど、何で起業したら良いのか分からない」と相談にいらしたクライアント。

 

どうして起業したいんですか?と聞いたところ、会社を辞めたいからだと。

 

最初の30分ぐらいで「別に、本気で起業したいわけじゃなかった」という結論になったので、そこからは、なぜ会社を辞めたいのか、本当に会社を辞めたいと思っているのかを聞いていきました。

 

  • ベンチャー企業に勤めていて、直属の上司である社長と合わない
  • 残業が多くてツライ
  • 一緒に働いているパートさんの愚痴に付き合うのがイヤ
  • 無理して働いているから体調が悪い

 

愚痴も悩みも色んなことがクライアントから出てきました。

そして、「どうしても会社を辞めたい!」と。

 

会社の中で、常に優等生だったクライアントは、何も言わずに我慢してきたんですよね。

 

でね、こういう人が別の会社に行っても、また同じことを繰り返すことが多いのです。やっぱり我慢しちゃうのね。

 

だから、自分が思っていることを相手に伝えることからスタート。

それと同時に、自己肯定感を高めるためのトレーニングもはじめました。

 

伝えてみたら、案外どうってことがなかった

 

今まで自分の気持ちや思いを伝えることがなかったクライアント。

「私が我慢すればいい」と思っていたんですよね。

 

でも、自己肯定感を高める宿題で少しずつ変わっていったんです。

 

「私は、自分を一番大事にしたいと思っているのに、どうして無理して我慢して、自分で自分を傷つけることをしていたんだろう」

 

そして、こう考えるようになりました。

 

「自分を一番大事にしようと思ったら、ここで取るべき行動は何?」

 

そうしたら、少しずつ相手に自分の意思を伝えられるように。

 

「ちぐささん、言ってみるまではすごくドキドキしたけれど、言ってみたら意外とアッサリしていて何の問題もなかったし、案外どうってことないんですね」

 

そうそう、言ってみるまでは「相手に嫌われたらどうしよう」とか「怒られたらどうしよう」とか思うんだけれど、言ってみると大したことがないって多いですよね。

 

あれこれ言い訳したり、回りくどく言わずに、キッパリ、アッサリ、明るく言うのがコツですね。

(これ、行きたくないお酒の席を断るのにも有効)

 

 

彼女いわく、悩んでいると小さなちぐささんが出てきて、耳元で「自分を大切にするなら、どうするの?」って聞くのだそうです。

 

私のセッションでも、「次はこんなことをやります」「こうしてみます」という言葉が、どんどん聞けるようになりました。

 

辞めてもいい!と思って、思い切って気持ちをぶちまけたら、アッサリ納得してもらえた

 

同僚には、少しずつ自分の意思を伝えられるようになったクライアントですが、社長との関係はなかなか変えられず。

 

小さな意思表示はできるようになったけれど、本音は伝えられなかったんですね。

 

有給を取って旅行に行きたいけれど行けない。

行ったら、文句を言われるにきまっている。

 

「本当に文句を言われるの?」って聞いたら、「多分、言われます」

「言ったことある?」という質問には、「ないけれど、社長の性格から、絶対に文句を言われます」という答え。

 

私からの宿題は「何でもない日に、有給を取ること」

 

今まで体調が悪い時以外は、ほとんど有給を使ったことがないと言っていたので、何もなくても休む!をしてもらうことに。

 

その宿題を出してしばらく経った頃、クライアントからメールが届いたの。

何とそこには

 

「もう、会社を辞めてもいいや!と思って、思っていること全部、社長にぶちまけたら、あっさり納得してもらえました」

「ちぐささん、私、会社を辞めるのを辞めました!」

 

と書いてあったんです。

私からの宿題は「何でもない日に、有給を取ること」だったのに、さらに大きな答えをクライアント自身が導き出してました。

 

あの時、会社を辞めなくて良かった。今が、一番幸せです

 

社長に自分の意思を伝えることが出来た時から、クライアントの状況は一変。

私とのセッションも、さらに前向きな発言が多くなりました。

 

そんな時、クライアントの会社に他社との合併話があり、クライアントも合併先の会社に転籍になるかもしれないとの話が。

 

「新しい会社への希望も出せるみたいなので、どっちが良いか迷っているんです。新しい会社の方が良いような気もするし・・」

 

ということだったので、クライアントにとっての理想の会社を出してみることに。

 

  • 「こんな会社で働きたい」を全部洗い出す(実現可能かどうかは、気にしない)
  • それを4つのマトリックスに分ける
  • 4つのマトリックスのうち、どのカテゴリーの希望が一番多いのかを知る
  • その中で、どうしても譲れないものを選ぶ
  • それは今の会社では、実現できないのか?を考える

 

こんなワークを一緒にやってみたところ、クライアントが最初に「◯◯がいいんです」と言ったことは、「譲れないもの」の中に1つも入らなかった(笑)

 

これには、クライアントも苦笑い。

「私、言ってることと本当に思っていたことが、全然違いましたね」と。

結局、クライアントが譲れないと思っていたことは、今の会社で実現可能だと分かり、転籍の希望は出さないことに。

 

私の継続サポートが終了した時には、毎日会社に行くのが楽しくて、今が一番幸せ!と手放しで言えるようになっていました。

 

サポート終了してから約1年後に届いたメールには、

 

今も楽しく仕事をしています。忙しいけど、なんだかんだ、私はこれが好きなんだと思います。あの時、辞めなくて本当に良かった!

 

と書かれていました。

最初に私に相談に来た時、悩みの本質を聞かずに「辞めればいいじゃない」と言っていたら、「あの時、辞めなくて良かった」というクライアントの声を聞くことはできませんでした。

 

自分のことは案外自分が一番分からないもの。

不安や不満を誰かに話すことで、見えていなかった問題の本質が見えてくるかもしれませんよ。

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