
私、社畜って言葉嫌いなんですよね。ものすごく侮蔑的な言葉で、他人に使う言葉じゃないよねと。
今回の記事で敢えて「社畜」という言葉を使っているのは、私がそれだけ腹を立てているということです(笑)
「社畜」という言葉をWikipediaで調べてみると、こんな風に書いてありました。
社畜(しゃちく)とは、主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化した賃金労働者の状態を揶揄したもの。「 会社+家畜」から来た造語かつ俗語で、「会社人間」や「企業戦士」などよりも外部から馬鹿にされる意味合いを持つ。
会社員で働いている人を「社畜」だと揶揄する人たちをTwitter上でよく見かけるけれど、会社員ってそんなに「自分の意思と良心」を放棄しているんですかね。
働くことが好き
仕事をしている会社が好き
この会社のために何かをしたい
そう思っている人、そう考えている人もいると思います。実際、私が今、仕事をしている職場でも、「この会社が好きだから、この会社のために頑張りたい」という人は、ひとりやふたりじゃありません。
私も20年以上会社員として仕事をしていましたが、働くことも仕事も好きでした。
では、「この会社が好きだから」と言った人たちや、当時の私は『自分の意思と良心』を放棄した社畜なんでしょうか。
当時の自分を思い返しても『自分の意思と良心』を放棄した記憶は1mmもないし、「この会社が好き」だと言っている人たちもそうです。
むしろ、自分の意思も良心もあるからこそ、もっと自分たちの会社を良くしたいし、成長したいとも思っているんですよ。
それなのに、どうして外野から社畜だの何だのと言われなくちゃいけないんでしょう。
はっきり言って、大きなお世話です。
でも、中には自分の意思や良心をなくしてしまって、ただただ会社の言いなりになっている人たちもいるのでしょうね。
仮に今、自分自身が「社畜」と呼ばれるような状態だったとして、そこから抜け出すのって、会社を辞める以外の選択肢はないのでしょうか。
私はそうは思わないし、「社畜から抜け出す=会社を辞める」と短絡的に考えるのって、ものすごく視野が狭くて浅いなーと感じます。
会社に飼い慣らされるかどうかは自分次第
そもそも、会社に飼い慣らされるかどうかって、自分次第だと思います。
社畜から抜け出す=会社を辞めるという思考しか持てないなら、浅いし狭いなと思う。会社に勤めながら、会社と対等になる、あるいは利用することなんて、いくらでも出来るし、本当に仕事が出来る人は、そうしているはずだよ。
— 古賀ちぐさ@ワークスタイルコンサルタント (@LibertyWoman2) June 15, 2018
このツイートにも書きましたが、会社に勤めながら会社と対等でいる人、会社を利用してやる!と思っている人、たくさんいますよ。
本当に仕事が出来る人たちは、意識せずともそうしています。
会社を利用するって、別に悪いことをするってことじゃないですよ。
会社にいるから出来ることってたくさんあります。
研修や資格取得などに力を入れている会社なら、それを利用することもできますよね。個人で賄おうと思ったら、お金がいくらあっても足りません。
仕事環境もそうです。個人ではとても買えないような環境(ハードもソフトも)が用意されているところもありますよね。それを使って自分の知識を増やすこともできるわけです。
チームで仕事をすれば、チームで仕事をするためのノウハウや一緒に働く人とのコミュニケーションの仕方も勉強になりますね。
顧客との交渉の仕方も学べるし、人脈も作れます。
私はベンチャー企業にいて、直属の上司が経営陣(たいてい社長)ということも多かったので、社長の考え方を間近で見ることも出来ました。
それは今の仕事にも多いに役立っています。
ただ漠然と何も考えず、ただ与えられたことを与えられた通りにやる「作業者」でいることも出来るけれど、自分で考えて自主的に動くことも出来るわけです。
そして、会社に飼い慣らされていると表現されるのは、おそらく前者でしょう。
でも、どちらを選ぶかは自分で決めればいいんですよ。
会社員だから飼い慣らされるわけではありません。自分がその道を選んだだけです。
そして、「飼い慣らされること=悪」ということでもありません。
自分自身でその道を選んで、受け入れているなら、それはひとつの選択です。他人がとやかく言うことではありません。
ただ、自分が「飼い慣らされる」ことを選んだのに、不平不満ばかりを言う人は格好悪いなーとは思いますね。だったら、自分でそこから抜けるしかないでしょ?
選択肢がひとつだけしかないことほど、危険なことはない
以前にも書いたことがありますが、私は会社を辞めることそのものは反対ではありません。
自分が、「ここではないな」と思ったなら、違う世界を選べば良いと思っています。
ただ、『社畜から抜け出す=会社を辞める』という選択肢しか持てないのであれば、それには「ちょっと待て!」と言いたい。
辞めてどうするの?
この記事でも書きましたが、外野は「辞めちゃえ!」とか「会社員でいたら、ずっと社畜のまま」だとか、好き勝手なことを言いますよ。
その言葉に乗せられて、勢いで会社を辞めてしまった人たちもSNSで見かけます。
でも、勢いで会社を辞めてうまくいかなかった時、面白おかしく煽っていた人は潮が引くようにいなくなります。
助けてくれる人はいませんし、「辞めたのは自己責任」の一言で済まされます。
キラキラ起業女子や自己啓発界隈を見ていてもそうでしょ?
その時、あなたはどうしますか?
スムーズに他の道が見つかれば問題ありません。でも、身動きとれなくなっている人もいますよね。
「やっぱり会社を辞めなければ良かった」と後悔している人たちも見ています。
選択肢がひとつしかないって怖いです。
それが自分にとって良いのか、悪いのか判断することもできません。
そして、失敗からリカバーする時に、ものすごく時間とエネルギーを使うのです。
「何かをする時は退路を断つように」とはよく言われますが、退路を断つことで爆発的なエネルギーを出せる人以外、私は「退路はちゃんと持っておいて!」と思っています(笑)
選択肢をたくさん持てるということは、自分の可能性も広がるということ。
そして、選択肢をたくさん持つには、自分を知ることと同時に自分で考えることが必要です。
『社畜から抜け出す方法=会社を辞めること』としか考えが及ばない人や、この意見に無条件に賛同してしまう人ほど危険。視野が狭すぎです。
もし『社畜から抜け出す方法=会社を辞めること』だと盲信しているなら、辞める前にもう一度考えましょう。
本当に辞めること以外に選択肢はありませんか?
それより何より、そもそもあなたは「社畜」なんですか?
誰かの言葉に惑わされているだけじゃないですか?
よく考えて、自分の道を選んでくださいね。
どうしたら良いか分からない人は、いつでも相談にいらしてください。