
時間管理はバッチリ。
スケジュールに余白があるのがイヤで、予定がビッシリ入っているのが幸せ。
とにかくムダなことが大キライで、効率化第一。
何でも最短距離で、寄り道もせず、ゴールまで一直線。
こういういった人が「仕事ができる人」と思われるフシがありますよね。
本屋の仕事術コーナーを見ても「時間管理」や「効率化」がテーマの本がたくさんあります。
会社の視点で見れば、短い時間で効率よく仕事を進めてくれる人は、とっても重宝します。
だけど、”自分らしい”働き方をしたい、理想のキャリアを作りたいなら、ムダや余白を排除するのは、オススメしませんよ。
ムダを排除すると視野はどんどん狭くなる
人生って、思い通りにいかないことが多いですよね。
あなたが「これだ!」と思っていても、順調に進むとは限らないし、誰かに邪魔をされるかもしれない。
ムダを極端に排除すると、思い通りに物事が進まなかった時、あっという間に余裕がなくなるんです。
そして、うまくいかないことに対してイライラし始めます。
イライラすることで、視野も狭くなるし、周りへの対応も横柄になる。
すると、さらに物事は思ったように進まなくなる。
悪循環ですね。
本来は、目指すものがあったはずなのに、「自分の思い通りに進めること」に目的がすり替わってしまう、というのもよくある話。
言葉の意味としては、ムダって「役に立たないもの」だけれど、あなたの人生やあなたの働き方の中に「役に立たないもの」ってあるのかな?
もし、あるとするなら、あなた自身が「これはムダで、何ひとつ役に立つことがなかった」と決めた時。
これはいらなかった。これは必要なかった。
経験することで気づくことはたくさんあるし、それに気づいたなら「ムダ」ではないと思うのです。
ムダをとことん排除するって、「経験」「体験」の幅を狭くするということ。
経験や体験の幅を狭くすると、おのずと視野も狭くなります。
視野が狭い状態で、自分の理想のキャリアを作る。
考えただけで、うまくいきそうにありません。
余白のないところに、チャンスは生まれない
余白がない=遊びがないってことは、もうそれ以上は何も持てないということですよね。
例えば、スケジュールをビッシリ埋めた後に、思わぬチャンスが飛び込んできたらどうしますか?
もう、どこにも入れる隙間がありません。
諦めますか?
でも、諦めたら同じチャンスはやってこないかもしれません。
スケジュールを調整しますか?
でも、調整している間に、誰か他の人がチャンスを掴むかもしれません。
余白がないというのは、両手いっぱいに荷物を抱えているのと同じこと。
両手いっぱいに荷物を抱えていたら、新しいものを手にできないですよね。
そして、余白がない人って、周りから見ていると余裕がないように見えるんです。
いつも一生懸命といえばその通りなんだけど、いつも何かに追われている感じ。
時間を管理しているというより、時間に管理されている。
余裕がない人、追われているように見える人に、「新しいことをお願いしようかな」とは、なかなかなりません。
だって、申し訳ない気持ちになるもの(笑)
余裕がない人に仕事をさらにお願いする、鬼上司にはなりたくない!
スケジュールを立てる時は、2割ぐらいの余白を作ることを意識すると良いです。
2割の余白があれば、何にでも対応できますよ。
うまくいかないことがあっても、2割の余白を作っておけば、そこで吸収することができる。
新しいチャンスがやってきた時も、2割の余白があれば、「やります!」と手をあげることもできる。
何もなくても、2割の余白をあなた自身のメンテナンスに使うこともできる。
余白って本当に大事です
人の魅力はムダと余白があってこそ
あなたが魅力的だなーって思う人はどんな人ですか?
こんな人だったら協力したいな、力を貸したいなと思う人はどんな人ですか?
ちょっと思い浮かべてみてください。
思い浮かべた人は、完全無欠な人ですか?ムダや余白のない、いつもきっちりした人ですか?
私が魅力的だと思う人は、どこかに「抜け」がある人。
協力したいな、力を貸したいなと思うのも、やっぱりどこかに「抜け」のある人。
完全無欠な人、いつもきっちりした人は、息がつまりそうで(笑)
それに、余計なことをしたら怒られそうだし、緊張を強いられそうで、できれば距離を置いてお付き合いしたいです。
きっと、私と同じように考える人も多いんじゃないかな?
音楽も一緒ですよね。
休符がない音楽はありません。最初から最後までサビだけの曲もないはず。
休符ってムダだから、全部なくしちゃえ!
サビだけの曲の方が盛り上がるから、それ以外のメロディはいらないよね!
もし、そんな曲があったら、きっと聞いている方は疲れてしまいます。
そして、人の心を動かすことはできないと思います。
ムダや余白があるからこそ、人はそこに魅力を感じるのです。
”自分らしく”働く、理想のキャリアを作る、それには周りの人からの応援や協力が必要不可欠です。
ということは、周りから応援したい、協力したいと思ってもらえる、魅力的な人になることは大切なことですね。
それでも、ムダや余白を一切排除しますか?
効率化だけを追求しますか?考えてみてくださいね。