
相変わらず、起業女子たちのサービスの値段ってビックリしますね。
昨日、ある方(起業女子ではない)に、私が受講を検討している講座の説明を受けました。
- 期間半年で14日間の通学(宿題含めて学習時間は140時間)
- 講義は毎回9:30〜18:30
- 講師は大学の名誉教授やクリニック医院長
- 講座終了後も定期的に無料勉強会
講座の説明の後に、担当営業の方がひとこと。
「パッと見の値段は高いと思うのですが・・」
この講座のお値段は50万円を超えます。普通に考えたら高いですよね。
さらに講座を受けるには選抜試験もあります。私も正直に「即決はできません」と言いました。
でも、その後、ふと思ったんです。
起業女子が提供するサービスよりも、ずっと中身が濃いのに、なぜ高いと思ったんだろう?
私が検討している講座は、終了後に認定試験があります。
履歴書に書ける資格だし、見る人が見れば、「これだけの力があるんですね」と分かるものです。
起業女子が提供している内輪だけの「認定◯◯」は、その界隈でしか通用しません。
起業を辞めて会社員に戻ろうとしたとき、履歴書に「認定◯◯」を書いたところで、採用担当者は首をかしげるだけです。
もしくは、ググって「あぁ・・・・・」となり、そのまま不採用の可能性も。
でも、高いですよね。起業女子の講座(笑)
何であんなに高いんでしょう?
20万なら「安いね!」と言われ、50万で「まぁ、普通だね」、100万を超える講座も当たり前。先日見た講座は300万でした。(300万も払って受ける人がいることに驚き。喜ぶのは講師だけなのに・・・)
金銭感覚おかしいです!
おかしいですが、その中にいると気付かないんですよね。
私も、起業女子を外から眺められるようになるまで、このおかしな感覚の中にどっぷりと浸かっておりました。
で、どうして、こんなおかしな金銭感覚がまかり通るかというと・・
そこには、「人は存在だけで価値がある。だからその存在に対してお金を払ってもらう価値がある」というトンデモ理論があるからです。
存在給というナゾの理論
あなたは、存在給という言葉を聞いたことがありますか?
知ってる!分かる!と言う人は、起業女子界隈、自己啓発界隈に詳しい人ですね。
存在給とは、読んで字のごとく「(自分の)存在に対する給与」です。
私にはこれだけの価値がある!だから、その価値分のお金をもらって当然!!ってことです。
起業女子が運営する起業塾では、この考えに基づいて値段設定をすることを推奨されることが多いです。
「あなたにはそれだけの価値があるんだから、値段もそうしないとおかしい」
「高い値段を付けられないのは、自分の価値に気付いていないから」
「『お金のブロック』があるとお金を受け取れない。安い値段しか付けられないのは、お金のブロックがあるから」
「人は、値段の高いものに価値を感じる。だから、あなたのサービスが高値で売れれば、あなた自身の価値もあがる」
こんなことを言われるわけです。
結果、外見だけ立派で中身のない高額講座や高額セッションが、次々と生まれるのです。
そもそも、存在給っておかしいでしょ?
もし、「自分の価値に対する給与(お金)」が存在給なのだとしたら、私、50万とか100万なんかで売るのイヤよ。
だって、私の価値ってそんなに低くないもの(笑)
存在給で値段をつけている人に言いたい!
あなた自身の価値ってそんなに低いの?
「存在しているだけで価値がある」は本当
「人は、存在しているだけで価値がある」は本当だと思います。
私には価値がない
どうせ私なんて・・・
という自信なし子さん、私のクライアントさんでも多かったけれど、それは違います。
自分で価値がないと思うから、価値がないように感じてしまう現実が目の前に表れているだけ。
SMAPの歌じゃないけれど、「元々、特別なオンリーワン」なんですよ。
誰かと比べて優れている、劣っているではなくて、そのままで価値がある。
まずはそれを認めないと、起業しようが会社員だろうが、“自分らしく働く”ことはできません。
『存在しているだけで価値がある』は本当。でも、それとお金を掛け合わせるからおかしなことになるんです。
何を提供できるのか、何が提供されるのか、その価値が値段
起業女子界隈の値段設定にどっぷり浸かり、そこから抜け出した私が思うこと。
「何を提供できるのか、何が提供されるのか、その価値をお金に換算したもの」
これがサービスの価格。
確かにブランド品は高いです。でも、老舗ブランドって、自分たちが提供しているサービスや商品へのこだわりって半端ないですよね。
商品やサービスとしての完成度が高いのは当たり前。
そこに自分たちが作り上げてきた「ブランド力」がついてくる。
だから、ファンは高くてもお金を払うのだと思うのです。
いくら有名ブランドでも、その名前に驕ってサービスや商品へのこだわりがなくなったら、あとは衰退するだけです。
起業女子のサービスも一緒。
自分が提供するサービスや商品は、クライアントに何が提供できるのか。
その提供できるもので値段を決める。
会社員のお給料もそうですよね。
会社はあなたという「存在」にお金を払っているわけではありません。
あなたが、会社にとってどんな価値を提供してくれるのか、それによって払うお給料を決めているのです。
お金を払う側も冷静に考えて!
その50万、100万で、どんな価値が提供されるのか。それは、あなたにとって、その金額を払ってでも手に入れる必要があるものなのか。
「払えるお金が、自分自身に対する覚悟料」
「思い切って払う金額ほど、エネルギーがあがるし、受け取れるものも大きい」
というサービス提供側のトークに乗せられちゃダメですよ。
それでウハウハするのは、サービス提供側だけ。
覚悟を決めるのに、高いお金を払う必要もないし、受け取るものが大きいかどうかは、自分の姿勢しだい。
そもそも中身のないものは、いくらお金を払ったところで、受け取れるものは小さいです。
あなたが必要だと思ったものに、あなたが価値を感じる金額を払う。
存在給とか覚悟料とか、根拠のない戯れ言とは、さっさとお別れしてくださいね。