
久しぶりに頭の中が「?」でいっぱいになりました。
その原因は、Twitterで流れてきた、入社するはずだった会社の入社日に「辞める」と言ったという投稿。
これって、Twitterという公の場に公開することなんでしょうか。
私の中の「常識」がどんどん崩壊していくわ。
もちろん、今の常識が明日も常識であるとは限らない。私の常識が誰かの非常識であることも分かってます。
でもね、今の日本社会を動かしている人たちは、私と同じように感じる人が多いんじゃないかな。
「入社当日あるいは内定式当日に会社を辞めること」が悪いわけじゃない
ちょうど昨日は内定解禁日だったから、大企業を中心に内定式を執り行った会社も多いのではないでしょうか。
こういう時に出てくる、「内定式当日に内定辞退した」という話。
内定を出したのに非常識だ
その会社に行くたくても行けなかった人がいるんだから、断るぐらいなら最初から受けなければいい
採用担当者の気持ちを考えているのか
企業は採用するのにお金も労力もかけているんだ
こんな意見が出てきますよね。
私も会社員時代は10年ほど採用責任者をしてきたので、企業の事情はよく分かりますし、採用担当者の苦労や気持ちは分かります。
「もっと早く言ってよ。受け入れの準備しちゃったよ。また色々、調整しなおさなくちゃいけないじゃん!」と言いたくなりますよね。
でも、入社当日あるいは内定式当日に辞退することは、一概に悪いことだとは思っていません。
なぜなら、やむを得ない事情というのも人それぞれであるからです。
だから、内定式当日、入社日当日に辞退した人に対して、やみくもに「非常識だ」とか「だったら、最初から断ればいい」というのは、ちょっと違うんじゃないかなーと思うのです。
ましてや採用担当者云々、広告費云々というのは、そもそもそういう仕事だからね・・なんですよね。
私も採用担当者になりたての頃は、内定を断られたり、入社日にすっぽかされたり(連絡もなしで、入社日に来ない人がいた)して、落ち込んだり腹を立てたりしてましたけれど、だんだん図太くなっていくんですよね。
だって、いちいち落ち込んでいたら仕事にならないですから。
自分で自分の価値を下げてどうするの?
では、私が何に「?」と思ったのか。
それは、ツイートにも書きましたが、なぜ、「入社当日に辞めた」ということを得意げに発信するのか?ということ。
辞めたことそのものは何とも思いません。何か事情があったのか、それとも気まぐれだったのか。
でも、今、ビジネスを回している多くの人から見ると、おそらく、この行動は「非常識だ」と映るはずです。
Twitter上の一部の人からは大絶賛されているようですが、リアルな社会では、まず絶賛されることはないはずです。
事実、私の周りにいるビジネスパーソンは、「はっ?何言っているの?」という反応ですから。
入社辞退をしたことをオフラインで、自分の友だちや家族に伝えるのは自由。
それだけだったら、そのことを知っているのは辞退された会社の人と、自分の周囲の人だけ。
辞退された会社が、「入社当日に、来る予定だった●●さんが入社しなかった!非常識だ!」なんてツイートをすることは、まずありませんから本当に限られた人だけが知る話だったんですよね。
それをなぜ、わざわざ自分から公に向けて発信したのか?
自分、すごいでしょ?とでも思ったのか?
それが不思議でならないのです。
だって、たかだか「入社日に会社に行かなかった」というだけでしょ?
何度も書いているとおり、非常識だなと思う人はいても、「うわーーーすごい」なんて思うビジネスパーソンは、そういないと思いますよ。
逆に、こんなことをつぶやいて、自分で自分の価値を下げてどうするんだろうと思います。
「人として」という価値観はビジネスする上でも大切
フリーランスで働くにしろ、どこかのタイミングで企業で働くにしろ、周りの人たちの印象ってすごく大事ですよ。
自分はひとりでやっていくんだから大丈夫
賛同者がいるんだから大丈夫
そう思っているかもいれないけれど、社会はそれほど甘くありません。
新卒で起業や学生のうちに起業は、どんどんやったら良いと思う。でも、余程の天才でない限り、周りに不義理をしていると、それは自分に返ってくる。多くの人は凡人なんだから、自分を過信して不義理を働いてると、痛い思いをすると思うよ。まぁね、私には関係ないから、本音ではどうぞご勝手にですが。
— 古賀ちぐさ@ワークスタイルコンサルタント (@LibertyWoman2) October 2, 2018
あのスティーブ・ジョブズでさえ、あまりにも自分勝手で一度、アップルを追い出されていますから。
もちろん、あのくらいの天才になれば、一度表舞台から去っても再び脚光を浴びる可能性はあります。
でも、わたしを含めた多くの人は凡人ですからね。
それこそシリコンバレーとかで投資家にガンガン援助されるような起業家は、おそらく超天才だと思うので、そういう人はもう我道を行ってくださいと思うのです。でも、そうじゃなければ、人としての経験、人としての学びはすごく大切だと思いますね。 https://t.co/gkMQvOgF3s
— 古賀ちぐさ@ワークスタイルコンサルタント (@LibertyWoman2) October 2, 2018
「人として」という部分ってすごく大事ですよ。
どんなビジネスであれ、誰ともかかわらずに進めることはできません。
特に大規模なプロジェクトになればなるほど、関わる人も多くなってきますからね。
人は感情の生き物だし、人に厳しく自分に甘い人も多いです。(私もそのタイプ)
だから、相手が自分に対して、どんな対応をしたのか、どんな対応をしそうなのか、どんな言葉を投げかけたのか、思っている以上に敏感に感じ取っています。
そして、それが相手に対する対応に出てくるんですよね。
『因果応報』という言葉がありますが、自分がしたことは、いつかどこかで自分に返ってきます。
品行方正でいなさいとか、いつも周りの目を気にしなさい、とは言いません。
むしろ、そんなことをしてたら自分自身がどんどん苦しくなるだけなので、さっさとやめた方が良いです。
でも、他人のことなんて無視して、自分が良ければそれでいいというのは違うと思います。
組織で働くにしろ、フリーで働くにしろ、「人として」の振る舞いはとても大切。
まぁね、私のクライアントでもないし、友人や知人、家族でもないので、好きにすればいいんじゃない!というのが本音だったりするのですが。