
1970年東京都生まれ。国立音楽大学教育音楽部卒。
熟練レベルの技能が認められる国家資格「2級キャリア・コンサルティング技能士」保有者。
20年以上の会社員生活と人事管理職経験を活かし、2016年から女性向けのキャリアコンサルティングやワークショップを開催。
また法人企業を対象とした採用コンサルティング、組織開発コンサルティング、研修講師としても活動。
諦めからスタートした社会人生活
私の会社員生活を思い返してみると、隣り合わせにあった感情は「諦め」でした。
スタートアップやベンチャー企業にいることが多かったので、「ブラック」に近い働き方をしていたけれど、仕事そのものは楽しかったし、一緒に働く仲間にも恵まれていたと思います。
そんなに楽しかったなら、どうして諦めと隣り合わせだったの?と不思議に思うかもしれません。
最初の諦めは新入社員のとき。
私はSEになりたくて某企業を受け、SEとして採用されたはずなのに、配属されたのは全然違う部署。
理由は「(私が配属された部署に)新卒女性を配属することが決定していたけれど、結果として女性の新卒社員が私しかいなかった」から。
【女性だったから】希望の部署にいけなかったんだと思いました。
悔しかったけど諦めるしかありません。
それでも配属された場所で頑張ろうと決めて、大変だったけれど楽しく仕事をしていたとき、お客様からこんなことを言われたんです。
「女性なんかにわかるわけがないだろう?男性と変わってよ」
これを言われたのは1度だけじゃありません。
どんなに私がそのことに詳しくても、【女性だから】と言うだけで、頭ごなしに否定される。とても悔しかった。
私が社会人になりたての頃は、今以上に男性社会で、ましてやIT業界は男性ばかりでしたから、「女性なんかに」と言われることを諦めるしかありませんでした。
「女性だから」仕事と家庭のどちらかを諦めるしかないという思い
その後、1回目の結婚をしたことをきっかけに新卒から働いていた会社を辞め、派遣でインストラクターの仕事を始めることに。
元々ワーカーホリック気味だったのと責任感の強さから、夜遅くまで残業してたんですよね。
すると当時の旦那さんから、こう言われました。
「主婦なんだから、残業なんかせずに帰ってきてよ。会社にも結婚してるから残業はできませんって言って」と。
私は好きで仕事をしているのに、どうして「主婦だから」残業しちゃいけないんだろう?
男性だったらこんなこと言われないよね?
やっぱり【女性だから】家庭を優先しなくちゃいけないの?
わかってくれない旦那さんに、ものすごくイライラしたし、何でそんなことを言われるか全然わかりませんでした。
ちゃんと話せばよかったのに、まだ若かった私は、ただただ意固地になり旦那さんを避けるように。そして私は仕事を選び、1回目の離婚。
【女性だから】家庭か仕事かのどちらかしか選べないのか…と思いました。
独身に戻った私は、ここぞとばかりに仕事三昧の毎日。
夜中まで仕事して、その後同僚と飲みに行って(私はお酒飲めないけどw)、明け方帰って仮眠して出社なーんてこともしてました。
若かったなー
楽しかったなー
そして縁あって2回目の結婚。
1回目の旦那さんは、私が家庭を優先することを望んでいたけれど、2回目の旦那さんは、私が残業することも全然気にせず、むしろ応援してくれる人。
きっとこのまま家庭と仕事の両立もできるだろうと思いました。
でも….
子供どうするの?話から暗雲が。2回目に結婚した当初は、いつか子どもを産むのだろうと思っていました。
だけど「そろそろ子どもを」のタイミングと、仕事の忙しさが重なって、私の中で子どもの事を考えられなくなったんです。
「今、子どもができたら私はキャリアを諦めなくちゃいけない。ここまで男性と同じように頑張ってきたのに、何で私ばっかり…」って。
男性はいいな。子どもができても自由に仕事ができる。
でも私は【女性だから】仕事か子どもかを選ばなくちゃいけない。そんな風に思ってました。
誰にも相談できず、自分の中で諦めて折り合いをつけるしかなかった
今振り返ると、周りに相談すればよかったんです。
でも当時は「相談しても無理」だと思い込んで、旦那さんにすら相談せず、自分一人で「仕事か子どもか」を選ばなくちゃいけないと思ってました。
最終的に私は仕事を選び、子どもを欲しがっていた旦那さんとは離婚。
2回目の離婚です。
仕事を選んだんだから、結婚は諦めなくちゃいけないな。
私は結婚には向いてないって思うようになりました。
離婚までして仕事を選んだけれど、ワーカーホリックがたたってギブアップ。
ハードワークだった会社を辞めて次の道へ。
その後もリーマンショックでリストラされたり、やっと見つけた仕事が合わなくて適応障害になったり。
山あり谷ありどころか、「波乱万丈すぎる」と言われる生活を送ってきました。
周りからは「そのパワーはどこから出てくるんですか?」と言われるのですが、私自身はパワーを出して頑張った!という意識はありません。
もちろん当時は辛かったし、眠れない夜なんて数え切れないほどあったけれど、「仕方ないな」と諦めることで、何とか折り合いをつけてきた…と言うのが私の感覚なんですよね。
今は自分のやりたいことは誰にも遠慮せずにやろう!と決めていますし、そう決めたら随分とスッキリしました。
諦めばっかりだったと思っていた日々があったから、今の私があるし、今の仕事ができてるんだなと思っています。
「女性だから」諦めなきゃいけないなんて、絶対におかしい
私が働き始めた頃は、2〜3年働いて寿退職するのは当たり前、出産したら半数以上が退職を選んでいたような時代です。
25歳を過ぎた女性は「売れ残り」の意味を込めてクリスマスケーキなんて呼ばれていましたから、ひどい話です。
それを考えると、今は格段に女性が働きやすくなったと思います。
思うけれど、それでも男性と比べたらまだ…ですよね。
今の経営層の世代は男性社会の当たり前を生きてきた人たちだから、急に変われと言われたって難しい。
わかってはいるけれど…なんだと思います。
まだまだ女性は、仕事を選ぶのか家庭を選ぶのかを迫られることが多いです。
キャリアが途絶えてしまうと悩む女性は後を立ちません。
でも「女性だから」諦めなきゃいけないなんて、絶対におかしい。
女性だって自分の人生を自由に選んでいいし、欲しいものを全部手に入れてもいい!
私はそう思っています
自分らしいリーダーシップを持った女性を増やしたい
私は女性リーダーに向けたサービスを提供していますが、それは昔の私のように一人で抱えて諦める女性を減らしたいから。
「自分が欲しいものは全部手に入れていいし、それだけの力を誰もが持っている」と言うことを、まず女性リーダーが見せることができたら、それを見た後輩たちも勇気がわきますよね。
「私にもできるかもしれない」って。
そう思える人たちが増えたらきっと、社会もそう変わっていくはず。
そして女性リーダーって、まだまだロールモデルが少ないですよね。
今の女性リーダーの上の世代で、バリバリ働いている女性は、過去の私のように男性並みに働いてきた人が多いです。
そんな女性リーダーを見て、「あんな風には働けないから」とリーダーを敬遠する人が多いのも頷けます。
でもこれからは、今までのようなパワーリーダーを目指す必要はありません。
自分が無理しなければいけないような方法では、長続きしないですから。
それよりも自分の強みや魅力を活かした、自分のリーダーシップを育てることが大切だし、そのお手伝いをしたいと思っています。
誰もが自分で自由に人生を選択できる社会へ
私は女性が自由に人生を選択できる社会を作りたいと思っています。
でもそれは「女性だけ」が優遇される社会ではありません。
そんなの歪でしかないですよね。
「女性だけ」を優遇したら、いつかその反動がきます。
これまでは「仕事か家庭か」で悩むのは、ほとんどが女性でした。
でも今はそうではありません。
男性も「仕事と介護」の両立に悩む人が増えています。女性だけの問題だと思っていたことが、今や社会全体の問題になっていることも少なくありません。
だとしたら、どちらかが優遇されて、どちらかが我慢するなんてナンセンス。
男性であっても女性であっても、誰もが自分の人生を自由に選択できる社会。
理想論や綺麗事だと言われるかもしれません。
でも私は、そんな社会を夢見ながら「働く」と言う側面から、支援をしていきたいなと思っています。
▼女性リーダーのための個人セッション