
「自分の身近にはロールモデルになるような女性がいないんです」
「会社の女性の先輩を見ていると、あんな風になりたいと思えないんです」
20代後半〜30代前半のOLさんからよく相談される内容ですが、私はこう言います。
ロールモデルなんていらないよ!
自分が自分のロールモデルになればいい!
ロールモデルを作ろうとするから、身動きできなくなる
ロールモデルって、簡単に言えば自分が目指したい姿ですよね。お手本になる人とも言えます。
OL時代、「古賀さんみたいになりたいです。どうすればなれますか?」と言ってくれる部下がいました。
- ワーカーホリックで、100時間超えの残業は当たり前
- 繁忙期は週に3回は深夜2時、3時まで働いてタクシーで帰宅
30代までそういう生活が出来るなら、私みたいになれるよと言ったら、「無理です・・」ってドン引きされました(笑)ごく当たり前の回答ですよね。
もし、やります!って言われたら、私が全力で止めています。
今振り返ると、こんな働き方をしないと終わらないほど仕事を抱えていたし、そういう仕事のやり方をしていたって、どう考えてもおかしいです。
(当時は、人に仕事を任せるという考え方が出来なかった・・)
だけど、私はこんなやり方しか出来なかったし、こういうやり方で、今の私が作られています。
ロールモデルがいないと嘆く人って、昔の私の部下と一緒だなと思うのです。
誰かをそっくりそのままマネしようとして、「私には出来ない」「私が目指した人がいない」と言う
いなくて当たり前だと思いますよ。だって、その誰かは誰かで、あなたはあなたですから。それにロールモデルがいないから、どんな風に働いていいか分からないと言うのは、おかしいです。
自分の働き方や自分が目指す姿は、自分で決めるものです。
ロールモデルが自分の働き方を決めるわけじゃないし、ロールモデルが自分の目指す姿じゃないのです。
ロールモデルがいないと成長できないのか?
ロールモデルがいると、その人のやり方を模倣することで、自分の成長が早くなるって言われますね。
だからこそ、「うちの会社にはロールモデルがいない」だの「女性が管理職になりたがらないのは、女性管理職のロールモデルがいないからだ」と言われるんだけど・・
私はウソだと考えています。
私自身のOL人生の中で、「この人がロールモデルだな」と思った人はひとりもいませんし、今もいません。
その時々で、憧れの先輩や尊敬する先輩はいたけれど、その人たちがロールモデルだったか?と言われれば、全然そうではありませんでした。
でも、ロールモデルがいなかったから、自分が成長できなかったとは、全く感じていません
運良くロールモデルとなる人がいたら、その人から学べるところは学んだら良いです。身近にそういう人がいるというのは、大きな財産だから。
でも、ロールモデルがいないから成長できないとか、管理職になりたがらないというのは、本人や会社の単なる言い訳じゃないかな。
真似するのは「やり方」ではなくて「在り方」
もし、「古賀さんみたいになりたい」と言ってくれた部下が
「古賀さんの仕事に対する考え方を知りたい」
「古賀さんが仕事に向かう時の姿勢を知りたい」
そう質問してくれていたら、私の回答も変わっていたはずです。間違っても「残業100時間が当たり前」なんてことは言いません(笑)
社内の女性管理職は男性並みに働いている
自分はあんな風には働けない
あぁ、この会社にはロールモデルがいないんだ・・
そうではなくて、その人が仕事に対して、どんな意識や姿勢で取り組んでいるのか、それを聞いたり観察したりすれば良いのです。
「あの人のように、男性並みは働けないけれど、仕事に向かう姿勢は共感できる」
そう思うのであれば、自分ができる働き方の中で、その姿勢をお手本にするには、どうしたらいいかな?って考えてっみたら良いですよね。
お手本にするのは、仕事の「やり方」ではなくて、「考え方や姿勢、在り方」です。
身近にいないなら、自分で作り上げればいい
考え方や姿勢、在り方すら参考にしたい人が一人もいないなら・・・
そんな会社に勤めていて大丈夫?とは思いますが、それはちょっと横においておきましょう。
会社に参考にしたい人がひとりもいないなら、無利して社内で探すことはありません。
自分で作ったらいいと思いますよ。
会社によっては、女性がほとんどいない、というところもあります。そんな時は、男性社員でお手本にしたい人を見つけたらいいのです。
男性と同じような仕事のやり方はできなくても、考え方や姿勢ならお手本にできることがあるはずです。女性だから、女子のロールモデルを見つけなくちゃいけない、なんてことはありません。
どうしても身近にいないなら、いないままでもいいとも思います。無理して探すものでもありません。
考え方や在り方をお手本にするなら、身近にいなくてもいいし、実在の人物である必要もないかもしれません
本や映画の中から探したってOKです。
考え方や在り方って、自分が迷った時に軸となるものです。
ここがシッカリしていれば、途中で寄り道しても、必ず戻ってこられます。
逆に言えば、考え方や在り方がグラグラしたまま、ロールモデルの「上辺の行動」だけを真似すると、迷った時に元に戻ってこられなくなるし、どんどんおかしな方向に進んでいきます。
自分の軸がしっかりしているなら、ロールモデルなんていらないし、ロールモデルを作るなら、行動ではなく考え方や在り方をお手本にすることが大事です。
自分のキャリアを作るのも、自分らしい働き方を作るのも自分にしかできません。
自分のキャリアに責任を持てるのは自分だけです。
ロールモデルがいないから、どう働いていいか分からないなんて、自分のキャリアを放棄しているのと一緒だと思いますよ。