
一昨日から、Twitterのタイムラインには、はあちゅうさんのセクハラ・パワハラ告発に関するものがズラリ
元電通の岸勇希さんのセクハラ・パワハラについて証言した記事が公開されました。数か月に及ぶ取材中も、自分と相手の実名を出すことへの葛藤がありましたが #metoo のムーブメントが背中を押してくれました。リスクを背負って証言してくれた関係者の皆様に感謝しています。https://t.co/Ymy4UOiCpu
— はあちゅう (@ha_chu) December 17, 2017
今さら私が、
「はあちゅうさん、よく言った!」と言ったところで意味はないし
「お前が言うな」という論点ずれまくったことも言いたくない
最初の論点ってどこだっけ?と思うような、はあちゅうさんのその後の炎上コメントに対して、あれこれ言うのもアホらしい
ということで、私は元企業人事として、今回の件で感じたことを書きますね
嫌なことはNoと言っていいし、逃げたっていい
「それはできません」
「それはイヤです」
「行きたくありません」
仕事をしていて、Noをハッキリ言える人、どれぐらいいるでしょう?
Noと言うことに抵抗がない人は、「えっ、イヤなら言えばいいじゃない」って思いますよね
今でこそ「イヤだ」と言える私ですが、若かりし頃は言うことができず、ストレスで突発性難聴になったこともあります
「仕事がやりにくくなるかもしれない」
「Noと言ったら評価が下がってしまうかもしれない」
「私が悪いのかもしれない」
そう考えて、ひとり思い悩む人も多いはずです
でも、ハラスメントに対して「No」と言ったことでやりにくくなる仕事や、下がってしまう評価って、自分自身を守ることよりも大事ですか?
「やっと入った会社だから」
「この仕事をしたくて頑張ってきたんだし」
その仕事は、その会社でしか絶対に出来ないものですか?
自分自身を犠牲にしてまで、やりたい仕事ですか?
心身が健康じゃなくなったら、そもそも仕事どころじゃなくなるよね
イヤなことは「No」と言っていいんです
言わないとダメです
加害者の中には、それがハラスメントだと分かっていない人もいます
分かっていないフリじゃなくて、本気で分かってないんです
「お酒に酔っていたから」
「自分たちもかつて同じようにされたから」
「これぐらい、笑って流してよ」
される側からしたら、ふざけんな!!!ですが、言わなきゃ分からないんだから、言いましょう
それに、人によって感じ方が違うのも事実
「Aさんは、これぐらい笑って許してくれたのに・・」と言われても、「AさんはAさん。私はイヤなんです」とハッキリ言う!
もしも、イヤだと言ったことで、評価を下げたり仕事がやりにくくなる会社なら、そこからダッシュで逃げたらいい!
自分自身を守ることよりも大事な仕事も、大事な会社もないんですよ
戦うのか戦わないのか決められるのは自分だけ。外野の意見に惑わされる必要はない
はあちゅうさんが告発したあとTwitterではこんな投稿も見かけました
「もっと言ってやってください」
「相手を刑事でも民事でも告訴して、徹底的に戦ってください」
「他の人たちも、どんどん訴えればいいのに」
きっと、応援しようという気持ちからだと思うのですが、「外野は黙っとけ」というのが私の意見
はあちゅうさんに限らず、告発した方たちの勇気は素直に応援したいし、「私も声をあげていいんだ」と思えた人がいるなら、それは意味のあることです
でも、中には、もう思い出したくないという人もいます
これ以上関わりたくないという人もいます
外野からの「もっと戦え」「もっと言え」は、思い出したくない、関わりたくないと思っている人を間接的に追い込むことに繋がります
これはネット上に限らずリアルでも一緒
私自身、ある犯罪の被害者です
もう30年以上も前のことで、普段は思い出すこともないけれど、時々、ものすごくリアルに夢に出てきます
人間不振ではないけれど、今でも大声を出す人や、いきなり距離をつめてくる人に対しては、多くの人が感じる以上の恐怖を感じてしまう
きっと完全に癒えることはないと思うし、ある意味、「こういうものだ」と割り切るしかないとも思っています
もし私が、自分が受けた被害のことを「もっと戦いなよ!」「もっと訴えなよ」と言われたら、全力で拒否します
多分、普段の私を見ていても気付かないと思いますよ
でも、30年以上経っていても、それぐらい受けた傷って大きいんです
ハラスメントの被害を受けていて、戦わなければいけない、戦えない自分は弱いんだ・・と思っている人がいるなら、それは絶対に違います
二重に自分を責める必要なんて、どこにもありません
戦うのか戦わないのかは、自分が決めていいんです
どこまで戦うのかも、自分が決めていいんです
周りの人がどんなことを言ったとしても、自分で決めていいんです
そして、周りの人たちは安易に「戦え」とか「もっと言ってやれ」とか言わないでください
戦うと決めたら出来る範囲で、協力したり応援したりしてください
戦わないと決めたなら、その意見を尊重してください
第三者にできるのは、それだけです
いつでも、誰もが被害者にも加害者にもなる可能性がある
特にセクハラは、男性が女性にするもの・・という認識が強いけれど、そうではないですよね
女性上司が男性の部下に対してするセクハラだってあるし、男性上司が男性の部下に、女性の上司が女性の部下にということもあります
男性のセクハラ被害者の方が、声を上げにくいということもあるかもしれませんし、他のハラスメントに関しても男性、女性関係なく起こりえます
部下から上司への逆パワハラという言葉だってあるぐらいです
こう考えると、自分は関係ない・・なんてことはありません
誰だって被害者になる可能性もあるし、加害者になる可能性もあります
だからといって、ハラスメントを必要以上に警戒して、必要最低限の会話しか出来ないと言うのも、私はつまらないと感じます
どうやったらハラスメントがなくなるのか
キレイごとを言えば、自分も相手も同じように大切にしあい、リスペクトしあえばハラスメントは起きないけれど、これぞ机上の空論ですよね
ハラスメントが完全にゼロになる・・というのは、時間がかかるかもしれません
だけど、ハラスメントをゼロに近づけることは出来るはずです
それは、会社が仕組みを作って何とかしてくれるのを待つことじゃないです
会社が何とかするものと思っている間は、結局、他人事なんですよね
自分が被害者もしくは加害者の立場にならないと、自分ごととして考えられないようでは、きっとハラスメントはなくなりません
だったら何をすればいいの?ってことですが・・・
まずこの5つから始めたらいいんじゃないかな
- 「おはよう」「お疲れ様」「お先に失礼します」などの基本的な挨拶は、全員がする(挨拶もできないのに、信頼関係はできない)
- ハラスメントに対しては、「イヤだ」と意思表示をする
- 相手からイヤだと言われたことは、2度と繰り返さない(他の人なら平気なのに・・とか言い訳しない!)
- 部下を社長の子どもだと仮定した時に、「言っちゃダメだろう」「やったらダメだろう」と思うことは、言ったりやったりしない
- 同僚でも人事でも、社外の人でも、相談できる第三者を持っておく
ひとりひとりが自分ごととして、意識して行動することで変わることはたくさんあります
自分が出来ることをする
それが、ハラスメントをなくす第一歩だと思います