

相変わらず「天職を見つける」ってニーズが高いんですね
もしかして、このblogを読んでくださっている方も、天職を見つけたい!と思っているのかしら?
いつから、こんなに天職を見つけなくちゃブームになったんでしょう?
私が20代、30代の頃に「天職を見つけよう!」「天職を探そう!」なんてなかったけどな。
起業している、起業しようとしていることを天職と結びつけている人も多いですね。
これも「自分らしく」「ありのままで」の影響なのかもしれません。
でも、天職なんて見つけなくていいし、そもそも天職を探そうとすればするほど、天職は遠のきますよ。
天職とは、見つけるものじゃなくて与えられるもの
「天職」の意味を調べると次のように書いてあります。
天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業。
(デジタル大辞泉より)
よく見て!天から授かったですよ。「天性」も調べてみました。
天から授けられた性質。また、生まれつきそのようであること。
(デジタル大辞泉より)
こっちも、天から授けられたです。
そう、天から「授けられる」んです。どこにも、自分で「見つける」「探す」なんて書いてないんですよ
ある人にとっては、それこそ天啓が閃くように「これだ!」と思うのかもしれません。
別の人は、職業人生を終える時に「あぁ、考えてみれば、あの仕事が天職だったな」と思うのかもしれません。
また別の人は、「うーん・・・結局、自分にとって天職ってなんだったかな?」と最後まで分からないのかもしれません。
でも、別にどれでもいいんです。
だって、天から授かるものだから。
ちなみに私は、今の仕事が天職なのかどうかは、まだ分かりません(笑)
天職を探そうとすると、視野が狭くなる
私にとって、今の仕事が天職かどうかは分からない・・と書きました。
天職なのかもしれないし、天職じゃないかもしれません。
ただ、今は今の仕事が好きで、今の私にとって、自分が描いている理想のキャリアに一番近いとは思っています。
私がキャリアコンサルという仕事、もっと言えば、人事の仕事を始めたのは、私が自分で探したわけでも、自分で見つけたわけでもありません。
たまたまです、本当にたまたま。
私は、キャリアのほとんどをスタートアップ企業で過ごしているので、いつもいつも人材不足だったんですね。
さらに、その道のプロを雇えるほどのお金もない。
そういう企業にいると、どうなるか。
社員で「一番適性がありそう&頼めばホイホイとやってくれる人」に白羽の矢が立つわけです。
その「一番適性がありそう&頼めばホイホイとやってくれる人」が私で、ある日、直属の上司だった副社長から、「古賀ちゃん、今日の夜、空いてる?ご飯食べながら話がしたいんだけど」と言われたんですよね。
すでに、この副社長との付き合いが長い私は、イヤな予感いっぱいで会食に赴いたら、「明日から、人事やって欲しいんだよねー」と、とっても軽いノリで頼まれたというのが、私が人事を始めた理由です。
もちろん、それ以前の私のキャリアに人事の「じ」もありません。
強いて言えば、インストラクターやマナー研修の講師をやってたぐらいですかね。
もし、私が「天職を探さなくちゃ」「天職を見つけなくちゃ」と思っていたら、多分人事は引き受けていません。
なぜなら、人にあんまり興味がなかったので、人事をやりたいなんて、小指の爪の先ほども思っていなかったから。
でも、気づけば「明日から、人事ね」と言われて早10年。
しかもキャリアコンサルでやっていこう!と思うぐらいに、適性があったということ。
人ってね、自分のことは自分で見えにくいものです。
ただでさえ、自分のことが見えにくいのに、「天職を探さなくちゃ!」なんて思っていたら、さらに視野が狭まります。
視野が狭まればチャンスも狭まります。
神様が「ここにチャンスがあるよ〜」と手を振っていても、視野が狭い人は気付かないんです。
だって、目の前しか視えていないから(笑)
天職なんて見つからなくても、自分らしく働ける
これも、私のクライアントさんは耳タコだと思いますが(笑)
天職が見つかることと、自分らしく働くことは全く別のことですよ。
これを混同している人が多い、もしくはわざと混同させようとしている人がいるから、「天職を探さなくちゃ」「天職を見つけなくちゃ」と焦る人が出て来るのです。
今、天職探しに躍起になっている人たちの「天職」って、「自分が輝ける」とか「自分の強みを活かせる」っていうイメージだと思うんですね。
世の中、自分がやっている仕事が「天職だ」という人の方が少ないはず。
私も、何度か書いているとおり、今の仕事が「天職」なのかは分かりません。
それなら、今の仕事が天職じゃないかもしれない人は、輝いていない?
強みを活かせていない?
そんなことないですよね。
天職か天職じゃないか、そんなことに関係なく、楽しく輝いて働いている人はたくさんいるし、自分の強みを活かしている人もたくさんいます。
私自身も、輝いているのかどうかは他人か判断することですが、自分の強みを活かせているかと言えば、多いに活かせています。
それでも、どうしても天職を見つけたいなら、さっさと天職探しをやめなさい
それでも、どうしてもどうしても天職を見つけたい!
そう思うなら、今すぐ天職探しをやめること!そして、今、目の前にある仕事を精一杯やってみること。
どうしてか、もう分かりますよね?
チャンスがあればあるほど、天職が見つかる(本当は与えられる)可能性が高まります。
さっきも書いた通り、視野が狭くなっていたら、チャンスがあっても気付かないかもしれないですよね。
だから、まずは視野を広げること。
そして、神様がくれるチャンスって、現実的には上司や同僚、もしくは取引先の人など、今、あなたが関わっている人を介してやってきます。
自分が、チャンスを与える側だったとしたら、どんな人にチャンスを与えたいですか?
いつも不機嫌な顔して愚痴ばかり言いながら、仕事をしている人より、にこやかで感じよく一生懸命仕事をしている人に、チャンスを与えたくなりますよね。
天職を見つけたいなら、『天職探し◯◯』に時間とお金をかけるのではなくて、今、目の前にあることを一生懸命やること。
もちろん、仕事もそうだけれど、それ以外のことも、今を楽しみながら出来ることを全力でやる人ほど、神様はたくさんチャンスをくれますよ。